?W 年俸制
年俸制の導入状況については、当研究所でも2年前の平成7年に調査したが、その時点での導入割合は回答企業全体の7.9%に止どまった。しかし、その後の日本経済は依然として不況が続き、各企業においては能力主義的賃金制度への見直しの気運が一層高まり、以前にも増して業績給を重視した年俸制を、また人件費の上昇に歯止めをかけるための年俸制の採用が注目を集めている状況にある。そこで今回も平成7年調査に引き続き、年俸制の状況について調査することとした。
1.年俸制の導入状況〔第59・60表参照〕
年俸制の導入状況をみると、「導入している」企業は全回答企業343社中50社、14.6%であった。これは平成7年調査結果の7.9%に対し、この2年間に6.7ポイントの伸びでおおむね2倍増となった。さらに1年以内に「導入を予定している」企業は22社6.4%あり、また現在は導入していないが「今後導入する考えがある」企業は65社19%で、「導入している」及び「今後導入予定、考えがある」の合計は40%となっており、今後も増加する方向にあることは事実で、全般的には年俸制の導入の意欲は依然として高まっているものとみられる。しかし、「今後導入する考えがない」企業も60.0%(平成7年調査54.4%)となっており、まだまだ導入に慎重であり、今後の動向が気になる面もある。
ア.企業規模別