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以上の結果を回答社数の最も多い「製造業」について、雇用形態別に構成比の平均値をモデル的に求めてみると、例えば、「パートタイマー」を抱えている企業のみを見ると、正社員1,000人に対し58人の「パートタイマー」を雇用していることになり、製造業についていえば、「アルバイト」、「パートタイマー」、「臨時・日雇い」の順で雇用を依存している結果となった。なお、形態別に雇用者のいない企業も加えた構成比の平均値を見てみると、「アルバイト」が7.4%から2.2%へと大きく減となっているが、これは「アルバイト」を雇用していない企業が多いことを示しており、このように見てみると、乖離の少ない「パートタイマー」、「契約・登録社員」、「派遣労働者」は構成比は低くとも、各企業においては雇用が広がっているという結果が伺え、雇用流動化(就職形態の多様化)が叫ばれる時にあって、今後、製造業に限らず、その他の産業においても雇用形態別の非常用雇用者が企業内において、どのようなウェイトで推移していくのか見極めていきたい。

 

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5.平成10年4月の新規学卒者の採用見込み数の対前年比較〔第37・38表参照〕

なにかと問題のあったいわゆる就職協定が廃止され、平成9年4月から企業の新規学卒の採用はいわば自由化された。学生にとって就職活動は従来にも増して大変だったようだが結局は収まるところに収まった感がある。一方、労働力の流動化が進み通年採用も一般的になっている。このような状況の中で、平成10年4月の新規学卒者の採用見込み数の増減を前年(平成9年4月)との対比で調査したところ次のような結果となった。

平成10年4月の新規学卒者の採用見込み数を前年より「増やす方向」と回答した企業は32.1%で平成9年の採用見込み数32.3%とほとんど同じであった。平成8年のそれが16%であったことと考え合わせると企業の採用意欲もここへきてやや一服ということだろうか。これを事務系と技術系に分けてみても前者が23.1%(昨年22.1%)技術系27.8%(同25.4%)と大きな変化は見られない。これに対し「減らす方向」の回答は17.2%(前年比1.3ポイント減)でほぼ同水準である。また、「おおむね変わらない」は48.1%で平成9年の採用見込み数42.5%より少し増えている。これらの数値からみると企業の新規学卒採用は全体としては安定してきたように思える。

ア.企業規模別

これを規模別にみると、規模「5千人以上」の企業では「増やす方向」が38%で平成9年の42%から減少したのに対し、「減らす方向」は17%と昨年より4ポイント増加した。しかし、これを事務・技術の別にみると事務系は「増やす方向」が前年比で3ポイント減っているのに、技術系は逆に3ポイント増えている。「減らす方向」も技術系の方が少なく、大企業が技術系に採用の

 

 

 

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