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態について「おおむね変わらない」が5割以上と現状維持が多数派であるが、「契約・登録社員」、「派遣労働者」を増やすところが4割近くに上っている。

 

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4.常用雇用者に対する非常用雇用者の雇用形態別割合〔第35・36表参照〕

一般に企業は、常用雇用者(いわゆる正社員)と必要に応じてその都度採用する非常用雇用者とによって業務を行っている。

しかし、最近は事情が変わってきたようである。一向に改善がみられずむしろ不況といえる経済情勢の下、企業のリストラが一段と厳しくなり常用雇用者を更に圧縮する必要ありとする企業が半数もあることは今までに分析してきたとおりである。そしてその穴埋めとして非常用雇用者を雇うことが当り前になっているようである。非常用雇用者の質も変わり単なる「人手」ではなく、専門的知識を持つ派遣労働者や契約社員といった形態も現れてから久しい。とくに派遣労働者については、現在、限定されている職種が近い将来原則自由化される方向にあるので、その需要は高まるものと予想される。

そこで、本年は、その企業に在職する正社員の数に対しどのくらいの割合で非常用の雇用者がいるのかを尋ねてみた。

調査では、正社員を100としてパート、派遣等の形態別に正社員に対する割合を記入していただいた。

全体を見回すと、非常用の雇用者が「いない」と回答した企業は6.1%で9割以上の企業はなんらかの形で非常用の雇用者を抱えていることが分かった。内訳をみると、「臨時・日雇い」、「契約・登録社員」、「アルバイト」はいないと答えた企業が多いが(6〜7割)、「パートタイマー」はいないとする企業は29.5%、「派遣労働者」が同37.5%で逆にいえば約6割の会社では雇用していることになる。正社員に対する比率では、どの雇用形態でもおおむね「1〜5%未満」が一番多く、「パートタイマー」では27.5%の企業がこのランクに集中している。また「派遣労働者」も29%がここに入る。

ア.企業規模別

規模別にみても傾向としては全体と大きな開きはないが「5千人以上」の規模では「パートタイマー」が「1〜5%未満」に32.8%の企業が集まり、また、「派遣労働者」も「5千人以上」で34.5%、「3・4千人台」の規模で36.8%の会社が「1〜5%未満」であると回答している。

イ.産業別

産業別にみてもあまり変化は見られず、正社員に対する在職比率はどの形態でも「1〜5%未満」に集中している。ただ「卸売・小売業、飲食店」では「パートタイマー」、「アルバイト」について「100%以上」の欄にも10%台で分布が見られる。これは正社員と同数かそれ以上の非常用雇用者がいるということでありこの産業の特異な従業員構成を示すものであろう。

 

 

 

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