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から大幅に減ったのが目に付く。次に「おおむね変わらない」の割合と比較すると、この割合が「減らした」の割合より多いのは「卸売・小売業、飲食店」だけでそれもごく僅かである。その他の産業はいずれも「減らした」とする企業の割合が「変わらない」を20〜50ポイントも上回っている。

一方、「増やした」と回答した企業を産業別にみてみると、「農林漁業、鉱業、建設業」が昨年調査の23%から13%に減り、この産業の主力をなす建設業の苦悩が見てとれる。その他は前年調査と大差ないが、「金融・保険業、不動産業」は昨年に続き「増やした」企業はゼロであった。

(2)常用雇用者数の今後の増減方向〔第27・28表参照〕

現在の常用雇用者数を今後もまだ人員圧縮が必要なのか、あるいは増やす方向なのかといった人員計画を聞いたところ、「今後さらに圧縮必要」と回答した企業が49.3%(昨年調査より3.8ポイント減)、「変わらない方向」42.8%(同2.7ポイント増)、「増やす方向」は7.9%(同1.1ポイント増)という結果となった。全体としてみれば圧縮が5割を僅かながらも割ったこと、「増やす方向」も少し増えたことなど昨年の調査結果よりやや明るさが感じられるが、いずれにしてもこの程度の数値では経済環境がちょっと変化すればたちまち元に戻ったり、さらに悪化するものであり、雇用がこれからも引き締まり気味に推移することは間違いないであろう。

ア.企業規模別

これを企業の規模別にみると、今後とも「圧縮必要」と答えた企業は、規模「5千人以上」、「3・4千人台」が57%と5割を超えているが、昨年は双方とも6割台であった。また、「千人未満」が昨年の43%から37%へとやや改善の兆しがみられる。総じて規模別には率は依然として高いものの「圧縮必要」とした企業の割合はいずれの規模においても昨年調査の結果を下回るか同率であった。

これに対し「今後増やす方向」とした企業は、「1・2千人台」が11%(昨年7%)と1割を超えたが、その他の規模はいずれも10%に満たない結果となった。また、「今後変わらない方向」とする企業は「千人未満」の57%が高いが、他の規模はいずれも3割台で昨年の結果とほぼ同様である。

イ.産業別

これを産業別にみるとまた違った方向が見えてくる。「今後さらに圧縮必要」とした企業のうち「金融・保険業、不動産業」は昨年調査の59%をさらに上回る63%とこれからも厳しい対応に迫られていることが分かる。残りの産業では「農林漁業、鉱業、建設業」が53%(昨年42%)でここでも「建設業」の厳しい状況がうかがえる。その他はほぼ4〜5割台で昨年の結果からいくらか改善がみられる。

一方、今後「増やす方向」と回答した企業は、「電気・ガス・熟供給、水道業、サービス業」は18%(昨年比9ポイント増)、「卸売・小売業、飲食店」が14%(同1ポイント増)が1割以

 

 

 

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