日本財団 図書館


アジア長期経済統計データベースの意義と効用

 

一橋大学経済研究所

教授 尾高煌之助

 

[要 旨]

1995年度から5ヵ年の予定で、『汎アジア圏長期経済統計データベースの作成』を課題とする文部省の「中核的研究拠点形成プロジェクト」が発足した。この共同的実証研究の狙いは、アジア(広義)におけるGDPならびにGDE統計を戦前・戦後にわたって長期的かつ体系的に整備することによって、この地域における社会経済発展の軌跡を客観的に叙述するとともに、現在や将来の方向性を探るよすがとなることにある。できるだけ相互比較を容易にするため、基本的概念枠組みとして1968年版SNAを採用するとともに、問題意識を共有し、相互に連携を密にするよう努めつつ作業を開始している。この実証研究によって、新しい事実の発見や既存の学説の批判的検討が期待されるのはもちろん、比較経済史的アプローチを通してそれぞれの社会経済に関する理解が深められ、ひいては将来プランの構想に際しても役立つことが期待される。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION