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??章 まとめと考察

 

1. 結果のまとめ

 

本研究における調査の結果を以下にまとめる。

 

1) 調査研究の概要

 

精神障害者は、近年になってようやく福祉施策の対象となった。本研究では以下の三つの課題を検討した。第一に、昨今の精神保健福祉の流れを確実にするために、精神障害者や施策に対する国民の意識の所在を明かにし、その結果を施策発展の方向性を検討した。第二に、ソーシャルマーケティングの手法を用い、精神病・精神障害者に対する偏見の是正、及びに啓発活動の方向性の検討した。病名問題など精神障害者を取り巻く問題についての国民の意識を検証した。

調査は、1997年11月7日から25日に実施した。調査対象者は、全国47都道府県に在住する20歳以上75歳未満の男女。対象となった2,000例中1,341例(回収率67.1%)の回答を得た。

 

2) メンタルヘルスへの関心

 

自殺や不登校についての具体的な事実について、6割から8割の人が知らないと答えている。こころの健康についての関心については、年代によって異なるが、それぞれ現在の生活に根ざした問題に関するこころの健康について関心を寄せていることがわかった。また、こころの健康についての情報入先として、テレビやビデオ、新聞・雑誌など身近な媒体を好んでいることがわかった。

ここ一年間の耐えられないようなストレスを感じた頻度については、あまりない、全くないと答えた人を合わせると全体の半数以上にもなった。ストレスを感じたことが、よくある、しばしばある、時にあると答えた人のそのときの状況については、ひどくいらいらしたや眠れなかった、生き生きした感情がわかなかったなどを経験した人が多かった。また年代別では、年輩の代では、睡眠障害や動悸息切れなど身体的変化を経験し、若い世代では、いらいらや生き生きした感情がわかないなど感情の変化を経験している人が多いようである。ストレスを感じた際の相談相手としては、身近な人か、又は専門家を選んでいる人が多かった。

 

3) 精神障害等に関する知識・精神障害者との接触体験

 

痴呆症、うつ病・そううつ病を持つ人と出会っている人は、約3、4割とやや多めだが、

 

 

 

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