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??章 精神障害者への援助について

―望ましい援助のあり方について―

 

1. ねらい

 

本章では精神障害者への援助のあり方についてみていく。まず、精神障害者に対する社会的援助のあり方として、重要であると思われることと、実際に行われていると思われることあげる。そして、高齢者の介護や精神障害者の援助の望ましいあり方について検討し、さらに両者の望ましいサービスについてどのように考えられているのかをみていく。

なお、本章では各年齢層(40歳未満、40-59歳、60歳以上)に分けるとともに、性別にも分けて分析する。

 

2. 結果

 

1) 精神障害者に対する社会的援助のあり方

 

精神障害者が社会の中で地域の人とともに生活していくために重要と思われることについて、「きわめて重要」あるいは「ある程度重要」と答えた者を合わせてみる。

どの世代においても「精神保健・医療・福祉の専門家が、精神障害者の社会復帰促進のために努力すること(専門家の努力)が第1位で高い比率を示した。全体では約9割が重要と考えており、特に「40-59歳男性」では92.3%を示した(表X?-1)。

第2位の「国や自治体が、精神障害者を援助する制度を整備すること(国や自治体が整備)」も高い比率を示し、どの世代においても8割を越えた。「40-59歳」と「60歳以上」では男性の方が女性よりも高い比率を示したが、「40歳未満」では女性の方が高い比率を示した。

第3位は「国や自治体、専門家が精神障害者に関わる事件・事故の防止に努力すること(事件・事故の防止)」で7割程度あった。「40-59歳女性」が77.7%、「60歳以上男性」が77.4%であるにもかかわらず、「40歳未満男性」は69.9%にとどまった。

第4位は「テレビや新聞が、精神障害者を積極的に報道すること(積極的に報道)」で全体では34.5%であった。若い世代で重要であると考えられており、「40歳未満男性」では38.3%、「40歳未満女性」では41.7%を示した。

一方、これらの項目が現在どの程度行われているかについて「十分行われている」あるいは「ある程度行われている」と答えた者を合わせてみる。全体ではいずれの項目も3割に満たなかった。一番比率の高かった「専門家の努力」は28.9%であったが年齢毎性別にみると差があらわれた。「40歳未満男性」が30.6%、「40歳未満女性」が31.3%で3割を超えた。「60歳以上男性」では37.9%が行われていると考えていたが、「40-59歳男性」で

 

 

 

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