序 章 調査研究の概要
1.調査研究の目的
神戸港は、近年、国際港間競争力の低下とともに、東アジア地域におけるハブポートとしての地位を低下させていたが、阪神・淡路大震災を機にそのことが一挙に顕在化した。特に、円高基調を背景とした日本における港湾諸費用の相対的割高感については、船社・荷主による港湾コストの低減と港湾サービスの向上に係る強い要請を招くこととなった。
その一方で、海上コンテナ輸送に係る外航船社は効率化によるコスト低減の実現のため、外航船社間の国際的企業提携を行うことにより、相互補完的な広範囲の共同化を実現している。それは、単に配船の共同化や船腹スペースの貸し借りだけにとどまらず、コンテナターミナルの相互利用などにもおよぶ世界的・総合的な提携である。
こうした外航船社グループの世界的な再編の動きの中で、神戸港においても、今後、船社によるコンテナターミナルに係る利用体制の再編、集約化等が進むことが予想され、港湾運送事業者においても、荷役の共同化・協業化等によりコンテナターミナル運営の効率化を推進していく必要がある。
そこで本調査では、神戸港のハブポート機能強化に向けてコンテナターミナル運営の効率化を中心に調査研究を実施した。
2.調査研究期間
平成9年5月〜平成10年3月
3.調査研究項目
(1) 神戸港の概要
(2) 神戸港における貨物流動等調査
(3) 港湾関係者へのアンケート調査
(4) 港湾関係者へのヒアリング調査
(5) 神戸港におけるハブ機能強化の方向