第6章 沖島航路のあり方の検討
1. 沖島航路のあり方の検討
沖島の住民にとって、船は対岸へ渡る唯一のアクセス手段であり、住民の足の確保のためにも公共交通機関としての定期船の運航は今後とも必要不可欠であるが、定期船の便数は極端に少なく住民ニーズをまったく満たしておらず、住民は定期船の不備を自家用船の利用で補うというよりも、むしろ自家用船がメインのアクセス手段となっているのが現状である。
したがって、当航路の望ましいあり方は「住民の求めるサービス水準を満たしつつ、安定した経営を維持すること」になる。
望ましいあり方の検討の前に、沖島の住民が現在利用している交通手段を整理すると次のとおり3種類ある。しかし、住民は現在の体制に対して強い不満感を抱いており、改善を望んでいる。住民ニーズをアンケート結果に基づいて要約すれば「定期船の増便」と「堀切への定期船の就航」の2点である。
<現在の交通手段>
・定期船(2事業者各1日1便)→・定期船の発着時刻は2事業者ともほぼ同時間帯であるため2事業者合わせても1口上便といえる
・スクールボート→・スクールボートは、学生及び教職員専用で一般住民の利用不可、1日4便運航、運航は定期船事業者が行っている
・自家用船→・自家用船は定期船の補完手段というよりも、むしろメインの手段となっている(他の離島に見られない状況)
上記の住民ニーズを満たすためには、以下の4つの方策が考えられる。
?現在の2事業者が定期船を増便するとともに、堀切へも寄港する
?現在の2事業者の運航体制はそのままで、スクールボート(便数が多い)を一般人も利用できるようにするとともに、堀切へも寄港する
?現在の2事業者及びスクールボートの運航体制はそのままで、別の事業者が堀切〜沖島間の航路を新設する
?現在の2事業者及びスクールボートは廃止して、新たな事業者が住民ニーズに合った航路を開設する
以下、これらの方策を個別に検討する。