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第2章 離島航路の現況

 

1. わが国の離島航路の現況と課題

 

1)わが国の離島航路の現況

離島や陸上交通機関隔絶地域の地理的制約からくる「隔絶性」は、生活、産業、文化の発展にとって大きな阻害要因となっており、この解消もしくは緩和のために交通体系の整備を積極的に図ることが求められている。

離島航路は一般に利用者が少なく、赤字航路であることが多いが、生活航路として不可欠であるため、離島航路関係の助成措置として離島航路整備費補助(標準化した欠損額を補助)、離島航路船舶近代化建造費補助(建造費の10%補助)などが設けられている。

昭和27年に制定された「離島航路整備法」では、離島航路を「本土と離島とを連絡する航路、離島相互間を連絡する航路その他船舶以外には交通機関がない地点間又は船舶以外の交通機関によることが著しく不便である地点間を連絡する航路」と定義し、その「維持と改善を図り、もって民生の安定及び向上に資する」ことを目的とし、離島航路整備費補助が実施されている。

今回の調査研究対象の舞鶴航路は、厳密には離島ではないが、公共交通機関が不備で、生活の足として海上航路が不可欠なため、離島に準ずる地域として、近畿運輸局管内唯一の離島航路整備費補助の対象となっている。運航事業者の有限会社舞鶴汽船は、毎年度補助金の交付を受けている。

一方、沖島航路は、島民にとって不可欠な公共交通機関であるが、複数の事業者が運航しているため、競合の存在する航路は採算可能とみなされ、離島航路整備費補助の対象航路とはなっていない。

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