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3 画像データ作成ソフトによるデータの入力・作成

 

画像データは,パソコン上で作動するワープロやグラフィックエディターソフトなどを用いてキーボード,マウスなどにより簡単な図柄を取り込み,編集して作成するが,一般的には各種防災関係の書類にはあまり多く利用されているとはいえない。

画像データは,スキャナーやデジタルカメラなどを用いて取り込み,BMP,PICT(PCT),GIF,JPEG(JPG)などの汎用的なフォーマットにより保存される。この場合,取り込むデータは写真,地図などの画像データばかりでなく,先に述べた紙媒体に印字された文字データを画像データとして取り込む方法がとられることもある。

動画による画像,音声の複合情報は,クイックタイム形式,MPEG形式などにより作成することができるが,各種ツール(ソフト)の使用法に精通する必要があり,現状では専門業者の作業である。

一般的に,これらの技術は防災関係資料の作成においてはあまり多く利用されておらず,印刷物を作成する際に,写真などを張り込んだり,ビデオ編集などで扱われているが現実である。

具体的な操作としては,写真,イラスト,地図等を,スキャナーを用いて画像データとして記録しておく。スキャナーはOCRの時に使用する物と同一でもよく,大きな原画を取り込む必要のあるときは取り込みサイズの大きいスキャナーを用いるか,分割して取り込んだ後に画像処理ソフトを用いてパーソナルコンピュータ上でつなぎ合わせていく方法がある。

写真を取り込む方法としてはスキャナーを用いるほか,フイルムスキャナーやMPEGカメラ(デジタルカメラ)などを用いて対象のデータを画像データとして取り込む方法もある。画像処理ソフトで若干の補正作業を行うと完成度の高い画像にすることもできる。

最近では地理情報システム(GIS)がパソコン上で実用可能になってきた。このシステムは,自然環境の空間的・時間的特性の把握,景観や環境変化のシミュレーション,環境の保全計画の策定等に反映される。また,このシステムを用いることにより,各種防災計画の策定,ライフラインの管理,災害時の救援活動・復旧活動の支援に役立つ各種地図資料を作成することができるようになるが,防災の分野への応用は既に進みつつある。また,高精度で安価な数値地図データも提供され始めているので,今後さらに各方面で活用されていくと思われる(図3.1.3を参照)。

 

 

 

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