日本財団 図書館


5 防災パンフレット(文字,画像,ノウハウ情報が混在した資料)

 

(1)対象とするデータの属性・形式等の特性

 

防災パンフレットは,基本的に文字・図表・画像情報のほか,ノウハウ情報が混在した資料である。

このような資料は,都道府県,市町村,消防本部によって作成され,このパンフレットの配布対象である地域住民に読んでもらい,災害時の応急対策のあり方や平常時の災害予防を効果的に実施してもらえるようにするためのものであり,いわゆる防災教育・啓発資料の重要な手段のひとつと考えてよい。

掲載データの形態をみると,文字,図表,画像(イラスト,写真,地図等)情報が主体であることに加え,先に示した住民自身の災害対応のあり方についてのノウハウ情報が盛り込まれている。これらの内容を明快かつ平易に理解され,パンフレットとしての目的を達するため,各種のデータをビジュアルにレイアウトし,データ化される必要が高い。

 

(2)対象とするデータの情報量・保持形態等の特性

 

一冊の防災パンフレットの情報量は,概ね10〜40頁相当(1頁につき,漢字にして1000文字相当と換算すると,文字による情報量は概ね1万文字〜4万文字)。パンフレットという性格上,少ない掲載頁の中に必要なデータを効果的に盛り込む必要から,文字とそれ以外の図表・画像情報がある程度多用されるため,データの処理方法にもよるが,デジタル化に際してはある程度の容量となるものと考えられる。

データの保持形態については,概ね紙媒体(印刷物)となるが,最近はこれに加えて,フロッピー,MOによる保持形態とするものも多くなっているものと思われる。

 

(3)デジタル化傾向の概況

 

防災パンフレットの作成過程をみると,一般的には,企画段階で都道府県や市町村の防災担当者が立案し,最終的な印刷段階では,専門のデザイナーや印刷業者の作業として作成されることが多い。この過程で,画像処理に適したグラフィックソフトやDTPソフトを活用して作成されることも多くなっているが,これらのデータそのものが作成者以外に提供され,利用されることは少ない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION