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1 地域防災計画書等の各種防災計画書(文字・数値情報を主体とする資料)

 

(1)対象とするデータの属性・形式等の特性

 

地域防災計画等の各種防災計画書は,基本的に文字・数値情報を主体とした資料である。近年作成される地域防災計画は,実用的・実践的なものとするため,文字・数値情報を視覚化した図表・フローチャートを利用したり,写真・地図等の画像情報を多用するなど,次第にビジュアル化の傾向が高まっている。しかしながら,現状における多くの地域防災計画が都道府県・区市町村の防災対策の計画内容である点は変わらない。

なお,文字・数値データにしても,単なるテキスト(文字)データではなく,後述する「6 防災マニュアル」のように,ノウハウ情報が組み込まれているともいえる。

 

(2)対象とするデータの情報量・保持形態等の特性

 

地域防災計画等一冊の情報量は,概ね100〜500頁相当(1頁につき,漢字にして1000文字相当と換算すると,文字による情報量は概ね10万文字〜50万文字)。但し,文字以外の図表・画像情報等については,データの処理方法にもよるが,デジタル化に際しては相当の容量となるものと考えられる。

データの保持形態については,概ね紙媒体(印刷物)となるが,最近はこれに合わせてフロッピーによる保持形態とするものも多くなっている。

 

(3)デジタル化傾向の概況

 

近年の地域防災計画の作成過程をみると,ワープロを活用して計画書が作成されることが多い。最終的に刊行物(印刷物)としての地域防災計画書が作成される過程で,ワープロ化された計画文書が庁内や関係機関等との協議による修正過程で活用されたり,印刷用の版下(元データ)としても活用されることが多い。

但し,これらのデータの入力・編集作業は,都道府県・区市町村防災主管課の内部的処理に負うところが多く,計画作成に携わる関係各課や関係機関相互に共有化されたものとはなっていない。

また,先進的な地方公共団体では,こうした資料がデジタル化され,ネットワークで共有化され,修正の度に既存資料が有効活用されている例があるが,一般の市町村では,こうした状況に至っていないのが大多数である。

なお,他の地方公共団体が作成した地域防災計画を参考に利用しようとする場合は,デジタル化が進んでいない現状では,刊行物(印刷物)として作成された計画書を入手する方法が一般的である。

 

 

 

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