【医療救護活動の教訓】
今回の大震災の教訓としては、医療施設の耐震性の強化、ライフライン途絶対策の強化、災害時広域医療応援システムの構築などがあげられる。入院患者を抱える病院等が地震で倒壊するようでは、入院患者の安全が保てないばかりか、殺到する負傷者の治療もできず、社会的責任を果たすことはできない。災害時重要施設として、特に耐震性を強化する必要があろう。また、地震発生時にライフラインが途絶することは、当然、覚悟しなければならない。非常電源の設置とその耐震化、断水対策としてのタンクの設置もしくはバックアップ用の井戸の整備などが望まれる。最低限の医薬品の備蓄も当然必要である。
そして、今回、最も問題となった広域医療応援体制の整備も本気で考えるべきであろう。個々の医療機関ががんばっただけでは、このような大災害に対処することはできない。被災地内の医療機関と被災地外の後方病院を情報通信ネットワークで繋ぎ、全体を仕切るコーディネーターを置くことで迅速かつ効果的な医療資源の活用ができるのである。