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福岡市における環境行政について

 

福岡市総務企画局企画調整部企画課長 宍戸邦久

 

1 は じ め に

 

福岡市においては、昭和40年代からの自動車交通により大気汚染や騒音、生活排水による水質汚濁などの都市型公害が顕在化してきたことから、公害防止計画を策定し、交通体系、下水道の整備など総合的な公害防止対策を推進してきた。

その後の社会・経済の変化や都市化の進展の中で、環境に対する市民のニーズが高度化してきたことに伴って、公害の防止に留まらず、良好な自然環境の保全、快適環境の創造を目指す計画として、昭和61年9月に福岡市公害対策審議会の答申を得て「福岡市環境プラン」を策定し、さらに環境プランを効果的に推進していくため平成4年3月に「福岡市環境配慮指針」を策定した。

平成4年5月にローマ・クラブ福岡会議イン九州が開催されたことを契機に、市民各界各層の代表により同年6月に「環境にやさしい都市をめざす福岡市民の宣言」等が策定され、本市では環境月間(6月)や毎月14日の環境デー等で普及に努めている。

平成8年9月には、環境の保全及び創造に関する基本的事項を定めた「福岡市環境基本条例」を制定し、この条例に基づき平成9年3月に「福岡市環境基本計画」を策定した。また、環境への配慮の推進に関する庁内調整を図るため、平成9年度より「福岡市環境調整会議」を開催している。

以下では、本市における環境の状況(平成8年度)及び環境行政の取り組みについて述べることとする。

 

2 福岡市における環境の状況

 

(1)大気環境

本市における大気汚染は、自動車や事業所のボイラー等から排出される汚染物質が主な原因であり、商業・都市生活型の汚染形態を示している。

平成8年度の大気の状況については、二酸化硫黄、一酸化炭素及び浮遊粒子

 

 

 

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