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3 環境産業振興のための取組

環境産業振興のために、本市北部に位置する響灘地区において、環境産業の拠点として、実証研究センターの誘致と総合環境コンビナートの形成を促進している。

響灘地区は、廃棄物処分場として形成された埋立地で最終的には、約2,000haもの広大な土地が生まれる予定である。現在約5割が竣工済みであり、?広大な敷地、?建設が予定される大水深港湾を活用した輸送の利便性、?工業地帯として集積した企業の技術力などを活かした事業展開を図っている。環境産業等の集積により「資源循環型社会実現のためのアジアの拠点」となることを目指す。

 

(1)総合環境コンビナートの形成

九州全域及び中国地方の一部を想定した広域を対象としてリサイクル事業を有機的に結びついた「総合環境コンビナート」の構築を進めている。すなわち、ゼロエミッションを目指し、関連するハード産業を集積させ、効率的なリサイクルを進めるものである。当面は、響灘地区の約15〜20haを想定している。

コンビナート構想の実現の第一歩として、具体的には、平成8年度に制定された容器包装リサイクル法を受けて、ペットボトルリサイクルにつき民間企業と市の出資による新会社を平成9年4月に設立し、本年4月より工場の本格的稼動を開始する予定である(本市としては、既に昨年11月よりペットボトルの分別収集を開始)。処理能力としては、当初は4千トン/年で、将来的には8千トン/年を見込んでおり、九州はもちろん中国地方の一部の地域で発生するペットボトルの処理が可能である。

今後は、関連する企業群により、?廃家電・廃OA機器リサイクル、?自動車リサイクル、?プラスティックリサイクル、?有機資源(食品等)のリサイクル、?効率的な物流システム等につき展開されていく見込みである。

(2)実証研究プラントの誘致

リサイクル技術、処理技術の有用性・安全性の確認や製品化の実験、製品の安全性の確認などの調査研究を行うため、の実証研究プラントを集中させ、共同利用できる研究・研修施設、情報処理施設を併設した「実証研究センター」の整備を行う予定である。また、将来的には、ベンチャー企業のインキュベーション機能、国際研修の実証機能を当センターに整備することを考えている。

すなわち、?響灘地区を世界的な環境関連産業の集積拠点とするための各種支援、?北九州発の環境産業・技術の展開、?環境産業拠点の環境モニタリング当の機能を持たすこととしている。

当面は、約1.6haの地区で展開することとしており、平成9年度には第一段として民間企業によるテストプラントが設置された。平成10年度には、福岡大学資源循環・環境制御システムシステム研究所が建設される予定である。

 

 

 

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