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この酸性雨に関する重慶市からの専門家の派遣要請を皮切りとして、平成2年度から本市との環境保全交流が始まり、平成9年度までの間に環境保全視察団の派遣(延べ4回、10名)、環境保全視察団の受入れ(延べ4回、16名)、研修員の受入れ(延べ3回、6名)、専門家の派遣(延べ4回、8名)を実施している。

この間、平成5年10月には、同様に友好提携関係にある広島県と四川省を含めた広島市と重慶市の4者の間で、重慶市に「酸性雨研究交流センター」を設立するとともに、必要な機材の一部を広島県と広島市で提供している。将来的には、同センターが中国西南地域における酸性雨に関する研究者・技術者の交流拠点として、さらには東アジア地域における酸性雨モニタリングネットワークの中核センターとして機能することが期待されている。

 

3 今後の課題について―人と自然が共生するまちづくりの推進―

最後に、本市の環境行政に関する今後の課題について、取り組み事例の紹介とともに述べてみたい。

(1)広島市環境条例の制定

山、川、海という本市の恵まれた自然環境には、「水と緑」が市民にとって生命の象徴であり、ヒロシマが訴える平和のシンボルとして育まれてきた歴史的背景がある。

現在、本市においては、市民、事業者、行政の協働の取り組みにより、負荷の少ない持続的発展が可能な社会を形成していくため、「広島市環境条例」の検討を行っている。

この条例は、環境の保全及び創造について、基本理念を定め、市民、事業者及び広島市の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本的な事項を定めることにより、これらの施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の世代の市民が健康で安全かつ快適な生活を営むことのできる「ひろしま」の都市環境の実現を図ることを目的とするものであり、平成10年度の制定を予定している。

 

(2) 資源リサイクル工業団地(仮称)構想の推進

 

 

 

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