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境と開発に関するリオ宣言」、「アジェンダ21」などが策定された。これらには、?「地球規模で考え、足下から行動する(Think Globally Act Locally)」ことが必要であること、?「持続可能な開発」を実現することが盛り込まれている。これらを受けて、国レベルにおける行動計画である「「アジェンダ21」行動計画」さらに、地方公共団体の取組みを効果的に進めるための「ローカルアジェンダ21」の策定のための指針である「ローカルアジェンダ21策定ガイド」を平成6年に策定している。

 

2 省資源・廃棄物対策

(1)廃棄物の処理について

都市部には、人口・企業等による経済活動が集中し、一般廃棄物、産業廃棄物が大量に排出されている。そのため、廃棄物の発生抑制施策あるいは資源のリサイクル施策が各都市において展開されているが、そのなかでも、首都圏をはじめとした都市部においては、産業廃棄物の最終処分場が極端に不足しており(環境庁の調査によれば、残余年数は0.8年)、また、産廃業者の価格競争と相まって、産業廃棄物の(特に周辺地域への)不法投棄が後を断たない状況となっており、廃棄物の適正処理問題がとりわけ重要な課題となっている。この問題は、最終処分場を如何に確保するかという点であるといえるわけであるが、これに対する解決策の一つとして、ゴミ処理の広域化施策が進められており、福岡市においては、周辺市町村による最終処分地の提供と引き替えに、ゴミ処理を行っている。

また、適正なコスト負担を図るため、東京都をはじめ一部の地域においては既にごみの有料化が開始されており、順調に成果を挙げている。ごみの有料化は、コスト負担の適正化の観点だけでなく、消費者にごみ排出抑制のインセンティブを涵養し、ひいては、住民意識の啓発に繋がるという点において一定の効果が認められると考えられる。

(2)リサイクル施策について

リサイクルあるいは使用済製品の再利用は、廃棄物の発生抑制、廃棄物の適正な処理とならんで環境への負荷が少ない循環型社会を構築する上で重要な役割を担っている。各都市においては、住民への啓発施策、廃棄物を効率的に再処理業者へ引き渡すためのシステムの構築、あるいはリサイクル技術の涵養等、広範な分野で施策が展開されている。しかしながら、資源のリサイクル施策の成否については、一義的には、住民・事業者の行動にかかっており、如何に彼らのインセンティブを高揚するかが施策の鍵であるといえよう。また、そのインセンティブの高揚に当たっては、資源のリサイクルを市場経済のシステムに位置付けて行くことが行政コスト的には望ましい。しかし、その際には、ゴミがリサイクル資源として経済コスト的に見合うかどうかが重要な問題となる。その理由は、古紙をいくら回収しても、紙パルプ等の市場価格が値下がりすれば、それらは有効に再利用されないということを指摘するだけで充分であろう。

(3)エネルギー対策について

これまでの都市は、資源、エネルギーの利用に対して、その廃棄、再生の過程

 

 

 

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