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(2)技術面での課題と解決

統合型GISを実現する上での技術面での課題は、GIS開発と運用段階において、それぞれデータとシステムインフラに特有の検討項目として整理することができる。

 

(a)データ整備の段階

統合型GISの開発段階では、空間データの整備が必要になるが、ここではデータ取得作業そのものの他に、その前提となるデータ取得の準備作業においても、検討すべき技術的な課題がある。

 

?データ作成の計画段階における課題

計画段階では、まず共用データに対するニーズの反映が課題となる。このためには、各部署におけるデータの種類・品質等に関するニーズを把握し、ニーズを取込んで共用データの仕様の確定を行う必要がある。またデータ流通と管理を容易にするために必要な、メタデータの具体的な内容を把握することも重要である。

次に、効率的なデータ作成計画の策定が課題となる。解決の方向性としては、データ作成の優先順位を確定し、費用や作製業務の分担を決定していくことが想定される。また、この過程において、全庁的な視点からコスト削減を考慮し、作成手順を明示して、全庁で秩序だった整備が進むよう配慮する必要がある。

 

?データ作成の実施段階における課題

この段階では、必要とされるデータ品質の効率的な実現が課題となる。そのためには、ニーズに応じた精度・解像度等を実現する最適なデータ作成技術の選択を行う必要がある。そして、作成したデータは、品質レベルの検証を行い、データの精度が予定された水準をクリアしているかを確認していく。さらに、品質保証のためのデータラベル作成・添付方式の標準化を行うことが重要となる。

また、汎用性のある仕様への対応が課題となる。解決のためには、ISO/TC211、OGC等の作成する標準フォーマット、あるいは、汎用性の高いインターフェースに基づいたデータ整備が必要となる。

 

 

 

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