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このシステムでは、共通インターフェースを介し、統括部署を含む各部署の個別GIS間でのデータ交換が実現され、クリアリングハウスの利用も可能となっている。さらに、共通インターフェースを介したシステム形態は、データ形式にとらわれない非常に柔軟なデータ交換を可能とするため、この形態を構築することにより、GISと他のシステムとの連携を図ることも、比較的容易に実現され得る。これは、オブジェクト単位でデータが交換されるため、データ自体に変化を与えずに、庁内を流通させることができることによるものである。

現在、各地方公共団体において、総合的な行政情報システムの構築が進められているが、将来的に見た場合、各部署におけるシステム整備から一歩進め、導入された異種システム間を連携し、個人情報の保護に留意しつつ、自由なデータ交換を可能にしていくことが、全庁として効率的に情報システムを活用していく意味において大変重要となる。共通インターフェースを介したシステム形態の実現は、この趣旨に沿う方向と言え、したがって、あらゆる地方公共団体にとって検討対象として位置付けられよう。

 

(b)比較的小規模な地方公共団体

比較的小規模な地方公共団体(以下「小規模地方公共団体」という)では、これからGISの導入を開始していく団体の割合が多い。また、GIS以外の情報システムの蓄積も比較的少ない。したがって、初期の段階から、統合型GISを念頭においたシステムインフラの整備を行い、システムが追加されるごとに、共用データベースの整合性確保とシステムの連携を図ることが望ましい。事実上、統合化されたGISの段階的な拡張により、最終的には全庁的な広がりをもつ理想型のシステムインフラを構築していくことができる。

 

?統合型GISの整備過程

共通インターフェースを介した統合型GISは、段階的に整備されるのが現実的である。現在、ISO等の国際標準化団体で、インターフェースの共通化が検討されている。当面は、共通インターフェースの導入時期を考慮しながら、その一方で、個別GIS間の連携を他の方法で具体化していくことが必要となる。

ここでは、共通インターフェースの導入を境目とし、その前後における統合型GISの整備過程を、システムインフラ面から記述していく。

 

 

 

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