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(c)データの品質管理と保存

整備された空間データは、庁内ニーズに合った更新周期と内容でメンテナンスされ、かつ適切な保存形態で維持される必要がある。統合型GISでは、データの管理面において、データ更新等による品質管理とデータの保存管理という2つの側面から仕組みを構築していくこととなる。

 

?品質管理

品質管理の最終的な目標は、データベースにおいて各項目ごとに適正な品質レベルを実現していくことにある。そのために、データ更新作業における品質評価等のデータ管理に加え、メタデータによるデータ管理とデータベース自体の品質評価が適切に行われることが求められる。

 

(?)データ更新のあり方

空間データの陳腐化を回避し利用を促進していくためには、データごとの更新における管理主体を明確にし、ニーズに合った手法・周期・内容でデータを更新していくことが必要となる。特に、共用データに関しては、更新の管理主体を定め、責任範囲と権限を明らかにするとともに、利用する各部署の希望も取り入れながら更新周期や内容を確定した上で実施していく仕組みの構築が求められる。

また、共用データは、様々な品質を持つデータの複合体となるため、データの更新は品質の高い項目から順次行い、その際には、より高い品質を持つデータを参照することが望ましい。実際には、更新周期が短く、時間精度が高い共用データに合わせて、その他の共用データの更新を実施していく方法が考えられる。この方法の確立を図るためには、庁内において段階的なデータ更新の仕組みを構築していく必要がある。この点の詳細に関しては、第3章(1)(c)の「データ更新フローと段階的な発展」の部分において、記述していくこととする。

 

(?)データの管理主体

共用データの管理形態としては、特定の主管部署が一括して管理を行う場合と、各共用データの作成、更新に業務上密接な関係のある部署ごとで管理する場合が考えられる。

 

(i)小規模地方公共団体における管理主体

一般的に、小規模地方公共団体においては、比較的データ量が少ないため一括管理が行い易いと考えられる。

具体的な管理主体としては、まず情報管理室や電算室等の、データの直接の利用主体ではない部署が考えられる。この場合、データ自体の利害関係がないため、特

 

 

 

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