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を十分いろいろやってもらったら、ある意味での反面教師、ネタが反面教師になるような形も十分あるんじゃないかなと思いました。

登山の世界なんですけれども、最近、割と中高年ブームというふうに言われておりまして、中高年の方たちが深田久弥さんの書かれた「日本百名山」という山に皆さんが登られるようになっています。それ自体はいいことだとは思うのですが、その中高年の方たちは割と最近山を始められた方たちでグループをつくります。そのグループも皆さん初心者で、どうしてもなかなか不安ですから、それではどこかツアー会社のツアーに応募して行きましょうということで、ツアー登山という形で40人なり50人なりの方たちが列をつくって山へ登るということが最近よく出てきています。

 

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ツアー登山自体は、我々もちょっと首をかしげるところがあるんですけれども、その中で特に専門的にそういう山岳旅行をやっている会社ならいいんですけれども、割と大手の旅行会社なんかにちょこっと見られるのは、50人なりを連れていくときに2人ぐらいしかリーダーがいない。2人じゃ、とても危ないなと思っているんですけれども、その危ないと思っていることと同じように、マナーがまだまだ徹底されていないんじゃないかと思います。

日本人なんかの場合、よく旅の恥はかきすてというふうに言われて、外へ行ったらまあいいやと。今、サブローさんもおっしゃっていましたけれども、前の家もやっているじゃないか、前の前の家でも駐車違反をやっているじゃないかというのと同じで、大勢がいると、まあ捨ててもいいや、1人ぐらい何もわかりはしないだろうというような意識が多分に出てきているんじゃないかと思います。

ずっとお話を伺っていますと、教育と啓蒙ということが非常によく出ていますけれども、我々の雑誌の中でも十分にそれはやっていきたい。ただ、雑誌の性格として「ごみは捨てるな、ごみは捨てるな」と、そういう記事ばかりもなかなかつくれないものですから難しいんですけれども、とにかく1つ1つ自分たちがやれることからやっていかなきゃいけないんじゃないかと思います。その自分たちがやれることと言ったら一体何かと言ったらば、我々は自然の中で遊ばせてもらっているんだ、その自然の中で遊ばせてもらっているときに、自然の中に入るときには、持って入ったものは必ず持って出ようと。それが山の世界では「テークイン・テークアウト」という言い方をしているのですが、持って入ったものに関しては必ず持って出る、そういう意識を持っているか持ってないか、1人1人の登山者が持っているか持っていないかで随分変わってくるんではないかと思っています。

それをどうやって啓蒙していったらいいか、どうやって宣伝していったらいいかというのはなかなか難しいところなんですけれども、とにかく1人1人が自分で自覚して、自然は有限で、なおかつその自然で遊ばせてもらっているということを十分自覚した上で、持って入ったものは必ず持って出るようにしたい、そういうことを肝に銘じながら、これからも雑誌の編集をしていきたいと思っています。

瀬田 はい、ありがとうございました。

最後に、姉崎さんに。姉崎さんの写真は、例

 

 

 

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