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対 談

 

テーマ「自然との友情を取り戻したい、だから和歌山」

 

和歌山県知事 西 口  勇 氏

 

ナチュラリスト・自然写真家 姉 崎 一 馬 氏

 

司会 まずは、基調講演の方をお聞きいただきましたが、いかがでしたでしょうか。いろいろな自然の写真が出てまいりました。まずは知事、一番前で聞いていただきましたけれども、いかがでしたか、今のお話。

西口 ええ、もう大変興味深く聞かせていただきました。私も、この「自然教室」という姉崎先生の本を読ませていただいていたんですけれども、スライドで見ますと余計によくわかりました。

司会 今、本のお話が出ましたけれども、この姉崎先生の「自然教室」、これをまず知事がお読みになったことがきっかけで、きょうのこのシンポジウムにお越しいただいたということなんですけれども、そのあたりをちょっと教えてください。

西口 もう何ヵ月か前だったんですけれども、昨年あたりから、さっき申し上げたように「自然と共生 快適わかやま」をテーマにした県民運動をやろうと思っていたところ、県内各地から和歌山の自然がいろいろ壊されている、あるいは野鳥や野草が割合粗末に扱われているというような声があったので、何とかすることができないかと思っているときに、この本をある人から勧められて読みました。ああ、これをひとつ県民の皆さんにも読んでいただいて、同時にそれをできるだけ生活に生かしていきたいなという思いがして、ちょうどこの催しのときに姉崎先生にその実際をお話ししていただくことが一番いいのかなと思いました。そんなことが1つのきっかけです。

司会 先ほどの講演でたくさんのスライドが出てまいりましたが、その中でもこれから私たちが考えないといけないなというような提案、ヒントなんかもたくさん出てまいりましたね。

西口 この本の中に書かれていますけれども、18年間この自然教室を開いて、引き揚げられるときの動機の中に、ごみの処理の問題、校舎が国道改修のために取っ払われるというくだりがありまして、それがなければずっとまだ和歌山で自然教室を開いておられたんじゃないかなと。その意味では、ちょっと残念な気がします。

 

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司会 今、姉崎先生にはいろいろとお話ししていただいたところなんですけれども、いろいろな自然のことが出てまいりました。そして、自然教室で自然とのかかわり合いを持っている子供たちの写真も出てまいりましたけれども、きょうはもうこちらにありますように、「自然との友情を取り戻したい、だから和歌山」、そういうテーマでお話を伺ってまいります。

それでは、まず最初に和歌山の自然について知事の方からお話しいただけますか。どうぞ、お願いします。

 

 

 

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