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なってきていますが、道路や住環境の整備が住民の行動範囲を広げ、福祉やゴミ問題など地域の連帯が求められるなか地域を超えて活動することで自分たちの住む町の環境への関心が高まってきています。

貞光町のまちづくりやコミュニティ活動は、それぞれの組織や活動に違いがあっても、それに係わる人達が、自分自身の生きがいのために、そしてこの町に住みたいと思えるような地域をつくることを目的として次の要素を共通の認識として考えています。

その一つは、自分も他の人もそれぞれのグループもこの町にとって大切な役割を担っているのだという相互の評価と信頼です。

二つ目は、活動がマンネリ化しないように新しいものを考えて行く創造性と意識を常にもつことです。

三つ目は、交流です。そのことによって幅広い視野と高度な認識を得、他の活動の理解と連携ができます。

このような認識を持ちながら活動を実践する団体や活動を紹介します。

 

●貞光ふるさと探慣団

自分たちのふるさとの歴史や文化を良く知り、誇りをもって暮らそうと、平成二年に商工会青年部を中心にして「ふるさと研究会」を結成し、その後の映画察を機に「貞光ふるさと探偵団」と改めました。会則等はなく、参加するものはすべて団員と考えています。現在、商工青年部と貞光町役場職員を中心として20〜30名の団員で活動していますが、そのほとんどがUターンした者ということは、ふるさとを離れて見えるものがあったからではないのでしょうか。

活動は、昭和7年に建設された「貞光劇場」を拠点として、毎年、秋に映画祭等を開催しています。映画祭では、監督の講演を聞くほか、作品を二日間にわたって上映し、夜は監督を交え探偵団員や来町者との交流会を行っています。また、来町者に貞光町のことを少しでも知っていただくため、街中の商家を借り受けてお休み所を設け、お茶のサービスをしています。また限られた予算で少しでも良いものをと、のぼり、横断幕、チケット、ポスター等の製作など準備、運営を手作りで行うため、映画察前の一か月は毎晩遅くまで作業が続き、そのことがスタッフ間の連帯感を深めることになっています。また、団員だけでの運営は難しく当日は多くの住民ボランティアに協力していただいていますが、これもまた他の団体との交流の機会となっています。平成八年の暮れに美馬郡を舞台として山田洋次監督の作品「虹をつかむ男」のロケがありましたが、これも平成二年の「山田洋次映画祭」で監督が貞光町に訪れたことが切っ掛けになったのではないかと思っています。

また、当日は、町主催の仮装かごかきが古い街道を舞台として行われます。思い思いの仮装をしたチーム六名が、五百メートル程の古い街道沿いに設けられた七か所の関所でジャンケン等をし、その勝敗を競いながらお酒の神様である神社のゴールまでたどりつくものです。チームは農協、郵便局、草野球チーム、銀行や企業などの約二十チームが自分たちのPRを兼ねて扮装をします。迎え撃つ関所は各地区で工夫をこらし、 トランプ、カラオケやジャンケ

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