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自治だより平成10年1月号(123号)

 事業名 地方自治情報啓発研究
 団体名 自治総合センター 注目度注目度5


災害対策基本法に規定されている一定のもの、等々)、A広域的被害蔓延防止の観点から特に必要があって指示を行う場合(例、伝染病予防法に規定されている一定のもの、等々)、Bその他個別の法律における必要性から特別に指示が認められる若千の場合が、限定列挙されている。これらの場合の指示は、それが認められる趣旨にてらして考えれば、指示に係る特定の措置をとるべく相手方地方公共団体を拘束し、かつ、その拘束力は、当該地方公共団体が係争処理手続で争うと否とに関係なく、当然に生ずるものと解すべきであろう。ただし、そうであるとすれば、一定の措置をとるべき旨の指示を受けた地方公共団体がそれに不服である場合には、一応指示に従って当該措置をとったうえで係争処理手続により不服を主張できる(指示に従ってしまったからといって争う意味がなくなるとみるべきではない)と解するのが、係争処理手続を設ける趣旨に合致する。

 

*一般ルール法の関与類型と特殊例外的関与

自治事務に関する一般ルール法の関与類型として委員会勧告で挙げられているものは、以上のとおりである。このうち、合意(または同意)を要する事前協議および指示は、限られた特別の場合にのみ認められる特別の関与の類型であり、それとの対比で言えば、技術的助言・勧告、報告徴収、是正措置要求、および、合意(同意)を要しない事前協議は、いわば通常の関与の類型であるが、いずれにせよ、個別法で自治事務についての関与を規定する場合には、前述の一般法主義にてらし、以上の一般ルール法の関与類型の範囲内で規定するのが原則だということになる。従前の機関委任事務で自治事務に区分されるものおよび従来の団体事務に関して現在、個別法で規定されている種々の関与についても、この原則に適合するように委員会勧告で必要な整理が行われた。

ところで、自治事務に関する一般ルール法上の関与類型は、前述のとおり、国と地方公共団体が別々の行政主体として、しかもできるだけ対等な形で協力しあう関係に立つべきだとの考え方にもとづいて構成されている。しかし、従来の個別法の関与規定のなかには――地方公共団体が一般私人と同一の資格で相手方となる場合(前述)は別としてもなお――いかにも国(国の行政機関)の優越的な立場を前提としていると見えるものが少なくない。とりわけ、一定の事項に関し地方公共団体が国の行政機関の許可・認可・承認等を受けなけばならないとか、国の行政機関が地方公共団体に対して命令することができるという類のものが問題となる。もちろん、この種のもののうちの大半は、上記の整理を経て一般ルール法の関与類型に吸収されたのであるが、なかには、特別の事情により、許可・認可・承認等の仕組みがそのまま維持されたものもある。刑法等で一般には禁止されていながら特別に地方公共団体に許されているような事項(競馬その他)に関するもの、公用収用・公用換地・権利変換に関するもの等々がそれである。これらは、あくまでも特殊な例外にとどまる。

 

*法定受託事務に係る関与類型

以上は自治事務に係る国の関与についてであるが、これに対し、委員会勧告において法定受託事務に係る国の関与の類型として掲げられているのは、技術的助言・勧告・報告徴収、事前協議、許可・認可・承認、指示、および代執行である。ここでは、それぞれについて個別に検討することはできない。

最後に今後の問題は、自治事務および法定受託事務の双方を通じて、国の関与についての一般ルール法および個別法の規定がそれぞれどのようなものになるのかということである。昨年12月に自治省から「機関委任事務制度の廃止後における地方公共団体の事務のあり方及び一連の関連する制度のあり方についての大綱」が示されたが、膨大な数に上る個別法の改正の問題を含めて、地方分権推進委員会の勧告が政府の地方分権推進計画にどのように具体化されていくのか、引き続き注目していく必要がある。

 

 

 

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