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メルヘンのまちのコミュニティづくり

〜交流があり 文化にあふれ 活力あるまち・おやベ〜

森下 博幸(富山県小矢部市企画調整課主幹)

 

小矢部市の概要

小矢部市は、富山県の西部に位置し、石川県に西端を接する面積134k?ば、人口約3万6千人の緑豊かな田園都市です。

古くより砺波地方の中心として栄え、越中国守として赴任した万葉の歌人、大判家持の歌により紹介され、平安時代以降、都人の心を誘う歌枕となった景勝の地であります。

また、石川県との県境にある倶利伽羅は、歴史的にも名高い源義仲と平維盛が合戦を繰り広げたところで、義仲が牛の角に燃え盛る松明をくくりつけ、数百頭の牛を放って大勝利を収めた「火牛の計」は著名であり、今も「倶利伽羅古戦場」として、県定公園に指定されております。

眼下に広がる散居村の眺めはすばらしく、遠くに立山連峰や白山の霊峰も見ることができる絶景の地となっています。

 

メルヘンのまちおこし

ユニークな数々の公共建築物は、個性的なまちづくりとして「メルへンのまち小矢部」と呼ばれ、全国的にも有名になっています。

スイスの中世の城やベルサイユ宮殿をモデルにした中学校、東京大学の時計台を持った小学校、赤坂プリンスホテル旧館の保育所、日本銀行本店を模した公民館など国内外の有名建築物をモデルとした建物が市内に多数点在しています。

「メルヘンのまち」として市民に浸透し始めたころから、青年会議所が中心となり、地域の活性化を目的に、市内の各団体等で「メルヘン市民委員会」を組織し、毎年、市民総参加の「メルヘンまつり」を春・秋と2回実施しています。

春には、「メルヘン花菖蒲祭り」を市民の憩いの場である小矢部河川公園において、各団体等が創意工夫を凝らしたステージ発表や様々な手作りイベントが盛りこまれ、小矢部の祭として今では県内外に広く定着しました。

秋には、「メルヘン源平火牛まつり」と銘打って、馬上凛々しい源氏の総大将木曽義仲を先頭に、松明を手にした武者等総勢300人による市中パレードが繰り広げられます。夜空にゆらぐ炎は、時を忘れ、見る者すべてを源平時代へとタイムスリップさせます。

また、「メルヘン祭」を通して、誕生したのが「めるへん劇団」です。この劇団は子供から大人まで配役、運営スタッフを市民から募り、大道具・小道具類すべてを手作りで行います。また、題材は童話にアレンジを加えたもので、脚本から演出まで芝居好きな市民が担当し、笑いと感動がいっぱい詰まった演劇は、一時間半にもおよぶ大作品となっており、観客は時の経つのを忘れ酔いしれます。

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