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スポーツといで湯のまち美作町

小坂田 泰彦(岡山県美作町長)

 

美作町(みまさかちょう)は、岡山県の東北部に位置する英田圏域の中心地です。県庁所在地である岡山市までは58キロ、面積86.97平方キロ、人口13,555人。往時は高瀬舟などが行き交い、昔から交通の要衝として栄えてきました。

近年は交通網の発展により、JR姫新線で新見や姫路につながり、中国自動車道美作インターチェンジにより京阪神や広島、九州にも結ばれています。基幹産業は農業・商工業・観光。

 

湯郷温泉

美作町の自慢は何といっても「湯郷温泉」。この温泉の歴史は古く、今から1,200年もの昔、一羽の傷ついた白鷺に導かれて慈覚大師が発見したと伝えられている名湯です。今は、中国自動車道を利用した京阪神からのお客さんが多く、京阪神の奥座敷として娠わいをみせています。年間の入込客は約90万人、旅館数約30軒、収容人員3,000人。

 

アクア・スポーツサロン美作(仮称)の建設

このたびさらに新しい客層の開拓と地域住民の健康増進を図ることを目的として、平成13年完成を目指して湯郷温泉の近くに県施設「アクア・スポーツサロン美作」の建設が予定されています。この施設はバーデプールを備えておリスポーツリハビリと温浴療法を兼ねた温浴施設です。また、総面積15ヘクタールにも及ぶ敷地内に美作町が設置する付帯施設として、森林浴遊歩道や特産品直売所、それにレストランなども併設してはどうかと今、大きな夢を描いているところです。

 

ラグビー・サッカー場は西日本屈指

また、湯郷から北約2キロの総合運動公国内にある、県営美作ラグビー・サッカー場は西日本でも屈指の競技場です。野球場やテニスコート、わんぱく広場、噴水公園も休日には家族連れで賑わっています。

 

美作町は農産物の宝庫

特に海田はお茶栽培の最適地。江戸時代からお茶が栽培され県下一の生産高を誇っています。一方、転作作物として10年前から黒大豆の栽培が行われていますが、今では「作州黒というブランド名でも市場に出回るようになりました。生産高は兵庫県の丹波地方を上回って全国一位となっています。また、美作町の特産品を販売する「彩菜茶屋」では、地元の農家が丹精込めた野菜や花、果物それに黒大豆や季節の野菜などの加工品の販売が行われており好評です。

 

今後の課題

美作町の高齢化率は24%を超え約4人に1人が高齢者。少子化も進み、人口も緩やかながら減少傾向にあります。そんな中、人口減少に歯止めをかけたいと若者定住促進のため町営住宅も建設中です。また、町民から要望の強い老人ホームや町民体育館の建設も日程にのぼってきました。

これからの課題は、高齢・少子化問題などにもより、一層力を注ぐとともに、財源の確保に努めながら時代のトレンドを見据え、広域圏構想や町村合併をも視野に入れて、町の将来を展望する時期にきていると実感しています。

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ラグビー・サッカー場

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美作町海田(かいた)での茶摘み

 

 

 

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