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パ ネ ル 討 論

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挨  拶

○大 坪(東大) 4人の講師の方からお話を伺いましたわけですが,最初に,21世紀の造船業ということを話題にしたいと思います。若い人にとって21世紀の造船業というのはどういう形であるかというのは必ずしもはっきりしたイメージを持てないというところがあると思いますっ個々の技術論よりもっと大きな話題になりますけれども,それを一つの話題にしたい。つまり,21世紀において先進国としての日本における造船業がどういうイメージであるか,これについて最初にお話,あるいはご質問等を頂きたい。

それから,2番目としては,星野社長の方から,過去の新しい専用船等の提案がヨーロッパを中心にして提案されていて,日本が基本的なコンセプトそのものを打ち出したことは余りない。それはなぜか。あるいはそういう新しいコンセプトを提案できるためには日本に何が必要であるか,こんなことを次の話題にさせていただきます。

そうした上で,将来にとってどのような技術開発が重要であるかというような順番で話ができればと思っております。

それでは,今後の造船業のイメージについてですが,基本的には世界の半分近くのシェアをずっと堅持しているということなのですが,パイそのものはほとんど一定である。そういう意味では他産業に対して相対的には減少しているというイメージを若い人たちは当然持っているわけです。それに対して,実はそうじゃない。こういう明るい未来があるということをぜひ語っていただければと思います。

 

魅力ある造船業のビジョン

 

○星 野(三井造船) 21世紀の造船のイメージでございますけれど,先ほど話しましたように,技術というのは,ミッションとか,使命,ビジョン,そういうものがはっきりしていないと,成長していかない,生まれてこないと思うわけです、造船の将来技術といいましても,海運,造船を含めた将来の姿というものが残念ながらまだ具体化されていない。私の話も造船の将来技術に要求されるミッションやビジョンとかがどうもはっきりしないものですから,具体的な話になりにくい。

将来の造船がどんな形になるか,いろいろ意見があると思うのですが,一つは,現在のVLCCに例をとりますと,航路とか港湾によって船の種類が千差万別になっているのですが,将来,航路や港湾の整備が進んでくると,世界中でそういった船の種類が最適,究極のものに標準化されてくることも考えられまして,そうなると航路や港湾の制限がなくなってきて,造船技術の将来のあり方も現在とはかなり様変わりしてくるのではないか。現在,多種少量で様々な仕様に対応していくことで,造船は非常に難しい複雑な技術を要求されておりますが,そういった制約がなくなってくると造船の将来も大きく変わってくるのではないかと思います。

○小 山(東大) 先が見えないという話はいろいろあるわけで,一番手を走っている人には先が見えないのは当たり前。二番手,二番手を走っている人は先がいつも見えているわけですが,一番手を走っているのだから,まあしようがないかというのがまず一つあります。

それから,海造審などの資料や色んな指標で見て悪いところは何もないわけです。一方,私どもにとって一番深刻な問題は学生諸君に魅力がない,来てくれない,ここのところを何とかしたいということだろうと思うのです。これから高齢化・少子化の時代の影響が出てきて,今のままでいくと,むしろ人が足りなくて困るというのが一番大きな要因なのです。そこへもってきてさらに魅力がないということになると,とんでもないことになると思います。

この間,造船学会で,元・現会長の懇談会というのに出させていただきましたが,星野社長を初めとして経営の方にはせめて業界がいいときにはいいと言ってもらいたい。大体決算ベースで景気がよくなり,受注ベースで景気が悪くなるように発言されるものですから,いいときはほとんどない。どっちか片方に統一

 

 

 

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