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超巨大タンカー(ULCC)Globtik Tokyo(IHI)(図18)が出現しています。その後も日本で建造された最大のタンカーと言われるESSO Atlantic 51万DWT(日立造船)(図19)や改造後世界一と言われるSea-wise Giant 56万DWT(住友重機建造,後に日本鋼管で改造)等が建造されて,大型化は止まることを知らないように見えました。図17に見るように如何に大型化が急速に進んだかが分かります。事実,この時期,100万トンタンカーの建造も本気で検討されたのであります(図35参照)。しかしながら,油流出事故防止のためのタンカーのタンクサイズ規制の国際条約の発効と昭和48年のオイルショックの影響で,幸か不幸か100万トンタンカーは実現しませんでした。

タンカーの大型化につれて,バルクキャリアーの大型化も進み,パナマ運河を通行できる最大船型であるパナマックス型(約6万DWT)を遥かに超える20万DWTのものまで出現しました(図20参照)。また,貨物船の専用化が進んだのもこの時期の特徴で,コンテナ輸送の普及により大型の専用コンテナ船が多数国内向けおよび輸出向けに建造されています(図21)。一方,自動車の輸出の伸びにつれて自動車専用輸送船(PCC,図22)が多数建造されるようになり,また国内の自動車の急増に伴い長距離カーフェリーが普及したのもこの頃です(図23)。また製紙用パルプの原料である木材チップ専用船も登場しました。これらの甲板開口部の大きな新形式船の開発には,その頃実用され始めた有限要素法(FEM)が威力を発揮しており,その後も構造解析の主力武器となっています。

変わったものとしては,製紙プラントバージがIHIで建造されブラジルに曳航して据え付けられています。この他,原子力船むつが建造され,高度自動化船等が開発されています(図20参照)。

 

 

 

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