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(2) 射水試験

実施場所:船舶艤装品研究所落下試験水槽

実施日:平成9年12月18日

出入り口(1カ所)及び側面観測窓部(2カ所)の各々について、距離3.5m、主気室の1.6m上方に口径63.5mmのノズルを位置させ、毎分2,300リットルの水を5分間射水した後、いかだ内部への浸水状況を調べた。5分間の射水中、ノズルの向きを変えることで当該部分全体に水がかかるようにした。その結果、出入り口に対しては浸水量1リットル、側面観測窓に対しては浸水量1.5リットル及び0.6リットルであり、有意義な浸水量とみなされている10リットルを下回る結果が得られた。射水試験の状況を写真8及び写真9に示す。

(3) 自動排水試験

実施場所:船舶艤装品研究所落下試験水槽

実施日:平成9年12月17日〜平成9年12月18日

再試験実施場所:F社 試験水槽

再試験実施日時:平成9年12月24日〜平成9年12月25日

射水試験に用いたものと同じポンプ、ノズルを使用し、救命いかだ内部に毎分2300リットルの水を1分間注水した後、そのまま約16時間放置し排水状況を調べた。その結果いかだ内部に合計76リットルの水が残った。

水が残った原因として排水弁の位置及び数量が適切ではなかったと考えられたため、位置及び数量を変更して再試験を行った。即ち、両側出入り口付近の排水弁の位置を床面最低部に移動、及び中央部艤装品袋の反対側に排水弁を追加した。再試験の結果、残水量は14.7リットルとほぼ目標(10リットル以内)に近い性能が確認された。排水弁を写真7に示す。

(4) 水中膨脹試験

実施場所:F社 試験水槽

実施日時:平成10年1月7日

(a) 水中膨脹試験

救命いかだをコンテナに収納した状態で水中に沈めるため、いかだ架台をのせた重い試験台(総質量約600kg)を作製し、通常、架台に取り付ける方法でコンテナを水平に固定した。試験に使用した架台を図10に示す。

ボンベ作動索をできるだけ短く架台に固定し、離脱直後にボンベが膨脹するようセットし、水深4.5mに沈め水中で離脱させた。その結果、いかだは3秒後、コンテナを半分開いた状態で水面に浮上し、正立状態で膨脹を開始し、25秒で膨脹完了した。いかだ内への浸水はほとんどなかった。試験結果を表14に示す。

試験後に確認した作動索の長さは、約1mで、底面から0.5mの位置に取り付けられていたため、水深約3mで膨脹を開始したものと推定される。

 

 

 

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