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次に、艤装品付近をドレインボックスとしてそこに水を集中させることにより残量を減らすことが可能かどうか、また、固定ベルトにより艤装品の位置を下げることが可能かを確認するために第2次予備試験を実施したが、排水弁の位置が必ずしも適当でなかったこと及び固定ベルトを締めることにより主気室のたわみが生じて床面がたるむこと等により、十分な排水状況の確認はできなかった。

予備試験の過程で艤装品固定ベルトを有効にするには、主気室左右を連結するスオートが必要となりそうなこと、また、構造の簡略化の観点から、できれば床面の膨脹(自動膨脹である必要が生じる)は避けたいとの方向が合意され、一つの案として、いかだ底面に外部補強気室状の補強気室を取り付ける構造(外部補強気室構造)が考え出された。

(3) 外部補強気室構造

床面を膨脹させず、床面の下側に補強気室を取り付け、その気室の浮力により自動排水を可能とする構造を検討した。但し、漂流時の安定性を考慮して気室の直径(200mm程度)及び浮力を最小限とし、できるだけ底面を水面から離さない構造とすること、また浮遊時に床面を水平に保つためにテーパー形状とすることとした。この構造の場合、逆転膨脹時の水の溜まりはほとんどないと考えられる。

但し実用化にあたって、曳航時に気室取り付け部に力が加わることが予想されるため、補強等の検討が必要となる。また、いかだの曳航抵抗が増加する可能性が高いため、救助艇の曳航能力の再検討が必要になると考えられる。

 

6.2 艤装品の位置固定について

昨年度からの検討課題である艤装品の位置固定については、第2次予備試験において、主気室の左右間に渡した艤装品位置固定ベルトの効果を確認したが、スオートなしの状態では主気室のたわみのため、ベルトが締め付けられず艤装品の重量を押さえきれない状況が観察されたため、主気室の左右方向に外部補強気室の取り付けが必要と判断された。

6.3 コンテナについて

今回製作するコンテナの要件の検討を行った。

(1) コンテナの強度を増加するため、構成するFRP材料の厚みを増やすと共に、補強リブの追加等を検討する。

(2) 上下コンテナのはめ合わせ構造を改良すると共にシール紐を強化することで、投下着水時に開きにくい構造を検討する。

(3) 救命いかだの格納寸法に合わせた大きさとする。

 

 

 

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