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7. 設備管理

 

7.1 設備管理の機能

良い品質は検査によって作られるものではない。品質管理の基本理念は,不良が起こらないようにその予防に努力し,良い品質を工程で造り込むことである。

修繕に関する品質も,整備,修理の作業の工程を管理することによって,結果的に修繕の品質が管理され,信頼性が向上することになる。

修繕作業の基礎的条件,即ち,機械設備・治工具・計測設備・作業環境の管理によって,故障率の低下,稼働率の向上,トラブルの減少,作業性の向上などを図り,整備,修理の品質を向上し,ユーザヘの信頼感を高めていくことが大切である。

 

7.2 機械設備の精度管理と予防保全

品質管理上,設備は常に所定の精度を維持することが大切で,そのために予防保全と生産された部品の品質から判断する事後保全が行われれる。設備の予防保全は品質の向上,生産性の向上,安全性の向上のためにも,おろそかに出来ない重要な課題となっている。設備の精度管理や予防保全を推進するためには,設備管理規定を設定し,老朽設備の更新や修理の基準を明確に定めるとともに,その実態を正確に把握しておくことが必要である。設備の精度管理及び予防保全は,その重要度(ランクづけ)により適切に行うべきである。

ランクづけの方法は,メーカ別,精度別,機能別,経過年数別,及び生産や安全の面から検討して,総合的な判定のもとに格付けされる。予防保全も,この分類ランクによる点検項目,点検周期や定期検査方法などを決定する。

(1) 設備台帳

税務上の資産台帳とは別に設備台帳を作成して,その性能や能力を適切に管理することが必要である。設備台帳には整理番号,設備番号,購入年月,機械メーカ名,設備名称,型式,付属機器,精度級,設備場所のほかに定期検査記録や改造・修理記録の欄を設けて常に設備の状態を明確にしておくことが大切である。

(2) 点検方式

作業者が行う日常点検と専門担当者が行う定期点検(四半期毎または年毎)があり点検内容はそれぞれ異なるが,点検表を作成して確実に実施することが必要であり,点検表は2年間,設備台帳に添付しておくとよい。

 

 

 

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