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(7) 社内標準化の考え方(社内規格の整備)

標準化とは,物事に合理的な基準を設定して,多数の人が物事をその基準に合わせることである。この考え方を生産の場に適用したのが社内標準化で,つぎのようにいえる。

1) 会社または工場のなかで,繰り返し行われている作業または業務をとり上げて,

2) その作業または業務内容を十分に調査,検討してムリ・ムダ・ムラを除いて改善し,

3) 守ることが可能な,最適の生産条件を設定し,

4) その条件を成文化して,標準として経営者によって,権威づけ,

5) 守る側(従業員)に教育徹底して,

6) 会社または工場全員が,協力してその標準を活用していくことである。

従って,よい材料・よい部品・よい製品・正しい作業・よいでき上がりとは,具体的にどんな品質のものあるいは作業をいうのか。これらの材料・部品を受け入れたり,加工・組立作業をして製品をつくり,検査する場合に,どんな基準に従って,作業または業務を行えばよいのか,そしてまた,機械設備をどのように操作し,手入れ,点検すればよいのか。これらの問題への指示,すなわちよい品質をつくりだす,よい修繕をするための最適作業条件を,だれにでも正しく公平に,必要なときにいつでも,明確に与えてくれるものとして,社内標準化すなわち社内規格の整備は品質の維持と保証に欠くことのできない重要な管理手法である。

修繕工場で望まれる社内規格には,つぎのものが考えられる。

(1) 整備基準

(2) 修理基準

(3) 作業標準

(4) 検査規格

(5) 機械精度管理基準

(6) 計測機器精度管理基準

(7) その他,本テキストでも各種の規格類が記載されている。

 

2.8 4つのMの管理の要点

(1) 材料(Material)

原材料・材料・部品・外注品等の管理である。原料・材料の購入に当っては,定められた規格の銘柄品を指定し,受入の際にはその品質を確認し,受入後は材料に名札をつけたりして標示し,整理整頓して保管する。

これは外注加工品に対しても同じことがいえる。そして基本的には材料メーカや外注工場自身が自主的に「よい製品」をつくりだすことである。

 

 

 

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