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提案者の単位によって個人提案とグループ提案に分かれる。また提案はただ提案箱においておけば出てくるというものでもないので、みんなの提案意欲をもりたてて提案活動を活発化するために、期間を区切ってキャンペーンを展開したり(これをキャンペーンによる提案という)、その時々に応じた課題を設定して提案を募集することが行われている(これを課題提案という)。

(3) 提案組織と運営

(i) 提案組織と職制

「提案は仕事ではないから、提案など書く暇があれば仕事をしろ」という誤った考えは、提案組織が職制と全く別に設けられているとそのような考え方が支配的になりやすく、提案活動を阻害することになる。従って提案を自主性に任せられた仕事の一部と考えて、提案組織を職制組織の上に合致させて運営することが重要である。

トップである制度責任者と末端の提案者の中間に位置する管理監督者層に提案委員会の審査員、あるいは実施責任者という形で制度に参画させることが職制の全面協力を得る上での一つのポイントである。

通常、提案委員会を設けて次の事項を推進している。

○ 提案制度基本方針の策定

○ 提案関係規程、基準額の改廃

○ 提案課題の選定

○ 提案の審査および評価

○ 採用された提案の実施状況の検討

○ 提案の表彰

提案制度運営の体系の1例を表5.5.5に示す。

(ii) 審査と表彰

提案の採用基準は提案の質を重視するか、提案件数の量を重視するかによって考え方も幾分異なってくるが、提案制度の普及定着程度、提案者の資質によってある程度弾力的に判断すべきである。制度導入時には全員参加的考慮が必要で、下級的提案の多いこともやむを得ないが普及定着すれば質の重視指向に提案促進活動をもってゆくべきである。

しかし、たとえ最下級提案であっても、採用されることの満足感を与えられるような採用基準は創意工夫の普及発展を図るためにも維持すべきであるが、単なる苦情または欠点の指摘にとどまるようなものは適用範囲外となろう。

提案の審査、評価、表彰の運営体系の1例を表5.5.6に示す。

提案評価基準の1例を表5.5.7に示す。

 

 

 

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