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対象は、単に故障したものに限らない。長時間使用されている製品も系統的に回収し、部品やユニットの消耗状況、品質特性の経時変化などを測定し、信頼性設計の資料として蓄積することが重要である。

巡回調査、現地調査は定期的に行うもの、新製品が発売された直後に行うもの、重要な故障が発生したときにチームを編成して行うものなどがある。

情報は特に製品の設計や製造方法に変化が起こったときに必要とされる。新製品が発売される時には大きな変化であり、このときに巡回調査、現地調査を行うことは情報獲得のための活動としてきわめて効率の高いものである。

(3) インプットの標準化

故障の情報を処理するにあたって考慮しなければならない問題は故障状況の表現の方法である。現象が同じでも修理者により表現が異なれば同じ不良を別の項目として処理することになり、混乱を招くことになる。

即ち

? 故障の内容を定義し、これをコード化して表現する方法

? 用語を標準化し、これらの用語を修理票に印刷しておき、該当を○印で表現する方法

である。

この様に標準化された用語を用いて故障状況を表現する方法は、記入が比較的簡単であるので、適切な用語を選びだし、この用語で故障の全体を表現することができるように故障の種類を事前に把握しておかなければならない。

インプット情報で注意しなくてはならないのは、第1次原因よりも最終の現象を故障情報としてインプットしてしまう場合が多い。これは防ぎ難い事であり前述の現品回収等により故障原因を明確にして情報の修正等を行ない情報の質の向上に努めなければならない。

(4) アウトプット

市場品質情報におけるアウトプットは、一般につぎの四つに分けられる。

? 品質月報などの定期情報

? 信頼性などに関する情報

? 異常情報

? 情報検索のためのデータ

定期的な品質情報はトップマネジメント、開発、製造、営業などの各部門へ定期的に、たとえば、月1回配布されるものである。その内容は、市場品質の諸指標として

? 信頼度、MTTF、MTBF

 

 

 

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