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速な処理が要求される事項として変更管理がある。これは設計変更によって引き起こされる変更事項が全部確実に行われているかどうかを管理するものである。設計変更には、客先(又は官庁)からの要求によるシステム設計部門または詳細設計部門からの指示、現場部門及び市場情報からのフィードバックによるものなどがある。この場合の情報伝達としては、

変更要求→関係部門での検討→調整会議→変更の決定→客先等への連絡→付帯事故処理→実施があり、いかに末端部門へ周知徹底させるかが問題であり、重要である。

設計変更による影響は、設計部門だけでなく、製造、購買、検査、外注、その他の各部門に拡がるために変更の内容、実施時期を関係部門へ明示することが必要であり、各重要度に応じて次のように引当て号機を指定するなどの方法即ち

? 初ロット(1号機)にさかのぼって実施するもの

? 現在製造中のものから実施するもの

? 在庫部品がなくなってから実施するもの

? 次回の発注から実施するもの

を指定し、着実に行わなければならない。

 

5.4.5 受入検査・外注管理における品質情報管理

 

外注および購買において、発注、納入の品質管理活動は数量管理、納期管理及び品質情報の管理である。数量および納期についてはコンピュータが利用されているケースは非常に多いが、品質情報についてはそれほど利用されていない。

納入数量、納期、不良個数、不良率、特採等の情報は検査日報、月報、外注購買先評価一覧表等にまとめられ、監査の実施等に結びつけて、外注、購買先の品質管理の向上等に活用される。

品質情報は、それを収集、解析した結果をどのようにQCレベルの向上、或は検査の程度に反映するかを考えた上で、不具合の現象、原因を層別、区分され報告されることが肝要であり、不良・不合格品の発生原因については、発注側の責任をも把握することが大切である。

 

5.4.6 製造における品質情報管理

 

製造において品質情報システムとして処理されている内容は、大きく三つに分けることができる。第一は異常が発生したときの報告、第二は週報、月報などによる品質情報の定期的な報告、第三は改善計画のための品質情報の解析結果報告である。

製造工程の管理のために必要な情報は、量産品の場合と個別生産の場合では多少変わってくる。量産品の場合は、設計・試作と量産を一応切り離して考えた方がよい。工程管理のために必要な情報は、異常事態をできるだけ早く把握し、損害を最少限にとどめるための情報と、ある期間の

 

 

 

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