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5.3.4 検査方法

 

(1) 検査の種類

(i) 外観検査

外観上の出来ばえの検査で表面から目視により、仕上面、鋳肌、鍛造肌等をみて、材料欠陥の有無、加工程度等の検査をする。作業者の自主点検では部分的な検査になりやすいので、第三者検査では特に重要視される。また、目視判定に差の生じるような検査項目については判定限度見本など設定することが望ましい。

(ii) 寸度検査

計測器具を使用して図面、基準と照合する検査で、この検査の要点は較正を受けた計測器具が使用されたか、また測定者が正しい測定方法で測定しているかが問題で、特に温度管理が十分考慮されていることが肝要である。

(iii) 耐圧検査

水圧試験、油圧試験又は水張り試験によって部品又は製品の材料・構造・製造法等の欠陥の有無を検査する。この検査での要点は、規定の圧力を保持する時間が十分とられていることと、テストハンマーで打って振動を与えながら検査することで、この基本が守られない場合、欠陥を見落とす場合がある。

(iv) 硬度検査

ショア、ブリネル、ロックウエル、ビッカース等硬度計等によって材料のカタサを検査する。また超音波硬度計、エコーチップ等の横方向からでも計測できる硬度計も用いられる。熱処理の指定のある材料については必ず実施する必要がある。カタサの単位間の換算値はあくまでも参考値で検査の判定には用いない方がよい。

(v) 非破壊検査

材料や製品をきずつけたり破壊したりすることなしに、それらの状態や内部欠陥の有無とその程度を試験により調べることを非破壊試験といい、試験結果と判定基準に基づいて試験対象物が使用可能であるか否かを判定する行為までを総合して非破壊検査という。ただし両者を区別しないで使うことも多い。非破壊試験の方法として物体の内部など手の届かぬところの実態を知るために、その箇所まで到達して情報を運んでくる能力のある電流、磁界、電磁波、放射線、音波、液体浸透等の物理現象を利用する方法がある。検査方式、対象物によって深部への到達能力に差異があるので、検査方式として主として内部を対象とするものと、表面あるいは表面近くに重点をおくものとに分けられる。

製造事業場で行われている非破壊検査の一般的な試験方法の主なものは次のとおりである。

 

 

 

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