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場合には無検査のほうが得策であるし、逆に継続して品質が不安定の場合には全数検査が必要である。これは品質上の情報と経済上の問題として決まる。この場合、過去の検査データその他品質情報に基づいて検査の方式を決めることができる。多種少量生産のものは不良率がつかみにくいのが普通であるので、抜取検査又は全数検査によって常時品質情報を把握しておく必要がある。

認定物件の検査には一般的な経済観念からみた検査計画を単純にあてはめることは出来ない。これは船舶安全法による検査を実施するものであり、物件の不良が人命にかかわるので、金額に見つもることが出来ないからである。船舶安全法による認定物件の検査は良品であることを確認し、保証するためのものであり、決して手抜きをしてはならない。

(2) 検査計画の立て方

検査計画は品質保証の重要度と経済性を考慮して、5W1Hにそって立てる。

? 検査方針

検査方針を明確にすることが必要で、設計品質の明確化、検査規格の標準化や見直しにより指針を決める。新製品のばあいは検査設備や検査治工具類の検討も計画に入れる。外注先との品質保証協定の締結とか、内製品についての自己点検制度の活用により十分な効果をあげるようにする。

? 検査の対象

材料、資材、工程中、製品について重要性や、実績、経済性を考慮して検査対象品目と検査項目を選定する。

? 検査の方法

どの工程でどんな検査を行うか、検査の種類、全数検査か抜取検査かチェック検査かなどの検査方式等、検査実施の手順や方法をきめる。検査業務が円滑に流れるように合否判定の基準、検査記録の様式、チェックシートなども用意する。

? 検査の時期

製造工程のどの段階で、どの検査を実施するか工程計画に従って計画する。不良損失の小さい時点を選ぶことが必要である。

? 検査場所

どの場所で検査するか。工場のレイアウトや、製品の規模によるが、定位置に集めるか、検査員がその場所へ出向くか、あるいは購入・外注品の受け入れ場所にするか、出張検査にするかなどを決める。実際にはこれらが組み合わされたものとなるので、トラブル予防のため、検査対象を計画する際に、検査場所を同時に明確にしておくとよい。

? 検査の主体

 

 

 

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