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5. 品質保証活動

 

5.1 設計管理

 

5.1.1 設計管理の要件

 

これまでの品質管理は、「品質を工程でつくり込む」ことを中心に、工程管理をしっかり実施することにより、品質保証をおこなう方が有利であるということで進められてきた。

ところが、製造工程不良や使用者の苦情、クレームの原因を調べて見ると製造工程の源流、すなわち新製品の開発企画、設計段階において耐久性や故障などの信頼性テストにより品質問題をよく解決しておかないと、不良等が発生した後からでは改善することが十分にできないことがわかり、製品の品質は「設計と工程で造り込む」という考え方になってきた。

このような実態を考えると製品の品質管理、品質保証の重点は製造プロセス以外のところに向かっても、総合的な品質管理活動を積極的に拡大、充実を図らなければならないのである。

一般的に製品のライフサイクルは下図の様にとらえることができる。

 

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・ 製品は、基本的には使用者の要求、あるいはニーズから出発する。

・ 使用者の要求に基づいて、その要求を満たす製品を企画し、その内容を企画書としてアウトプットする。

・ 企画書が明らかになったら、企画書に基づき製品の基本設計をし、基本設計図をアウトプットする。この段階で製品の基本的内容が明らかとなる。

・ 基本設計図に基づいて、製品の詳細設計が行われ、部品構成や部品等の内容が詳細にわたって確定する。

製品企画から詳細設計に至るプロセスでは試作や要素テスト等が行われる。

・ 図面が確定したら、その図面に基づいて材料を製品というハードウェアに変換し実際の製品が生まれる。

 

 

 

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