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(e) 天幕の点検

(イ) 天幕布、出入口ファスナー、雨水受、再帰反射材等の接着部、縫製部、その他取付け部品の変質、破損、切れ、こすれ、発錆、脱落等の異状の有無を調べる。

(口) そのほか甲種いかだでは内外天幕布と気柱との接着部を、乙種いかだでは気室への取付部、キャノピー灯と支柱の取付座を調べる。

乙種いかだのキャノピー灯は、天幕支柱に取付けてあり、支柱を組立てて天幕頂部に嵌合して点検確認すること。

(ハ) キャノピー灯、室内灯の点検は、導線の結線部を露出してテスターを用いて導通を確認するか又は試験用乾電池を用いて通電し、点灯することを確認する。

海水電池は有効期限が5年と定められているが、前回検査時から2.5年以内に外観及び防水状態(内部に湿気が入って化学反応が進んでいるものは防水不良)を点検確認すること。又、導線の結線部を露出して電圧及び絶縁抵抗を測定し、基準に適合しているかどうかを確認すること。

以上の手順によりー通りの点検が終了するが、再度反復してチェックをすることが望ましい。異状個所が発見された場合、軽度の発錆、汚損、文字消滅等はその場で手入れ、補修等をし、その他の要修甲個所は水洗いしても消滅しない方とで、マーキングしておくこと。

なお、異状は軽度のものであっても、すべて記録しておくこと。

(4) 膨脹状態での点検

(a) コンプレッサーからの圧縮空気を乾いた白布で、水分及び油分を含まないことを確かめ、主気室の内圧を120mmHg(1,632mmAq)に膨脹させる。(安全弁付きいかだの場合は、安全弁は閉止しておくこと。)

なお、この外観点検は、実ガス膨脹試験に引き続き行ってもよい。

(b) 内外から上下部主気室、天幕の接合部及び主気室の接着部、補強テープのしわ、ずれ、はがれ等を、目視及び手触で確認する。

もし、異常がある場合は、修理基準に照らして修理し、20時間以上放置した後、再点検する。

(5) いかだの水洗い

(a) いかだが汚損している場合は水洗いをする。水洗いはいかだを仮膨脹(約50mmHg程度)して行うと作業が容易である。

安全弁、補助空気弁その他の弁類は完全に閉鎖して、気室に破損個所があるときは、粘着テープ等で傷口を覆い、気室内に水が侵入しないよう注意して行うこと。

(b) 水洗いは清水を用いて行ない、油脂等の付着している場合は、中性洗剤を用い、状況によっては揮揆油で拭きとる。

トルオールは接着部の内面まで溶かす惧れがあるから、使用する場合は十分注意して白ウエスに少量を含ませ、汚損部のみ手早く拭くこと。

(c) 水洗い後は、仮膨脹のまま乾布で拭き陰干しして十分に乾燥させる。

 

 

 

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