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(3) 乗込み後直ちになすべきこと

本船からの離脱はできるだけ早くしないと、本船沈没時の渦に巻き込まれたり、本船の構造物に引掛ったりして水没、破損する危険がある。乗込みが終ったらもやい綱をナイフで切断して速やかに退避しなければならない。ナイフは第二種、甲種はいかだの乗込口付近に取付け、乙種は帯索またはもやい綱に取付けてあ20るので取扱いに注意を要する。第一種いかだは乗込口近くの天幕の外側に取付方法が統一された。

本船から離脱したら、漂流者を確認し収容すること、漂流している他のいかだがあれば集結すること、いかだの機能を確認することが次の行動となる。

第一種、第二種いかだでは、海、空からの探索を容易にするため、いかだ本体に再帰反射材が取付けらられ、艤装品として発煙浮信号、レーダー反射器、海面着色剤が装備されている。

乗込み後直ちになすべきことが、いかだ内に取付けられた行動指導書に記載されている。

(4) 船上での日常保守点検

船舶救命設備規則第96条の2では、救命設備に船上での定期的な保守点検のために保守に関する手引書の備え付けが要求されに“いかだ使用方法”の掲示板がいかだ積付場所に設けてある。いかだ整備の際はこの掲示板の保守点検も行うことになる。いかだ積付の点検ポイント(一例)を次に示す。

?架台は、錆がなく塗装されており、可動部は錆付き、ペンキの付着等がなく、かつ給油されていること。又安全ピンが挿入されていること。

?自動索は、端が架台に固縛されており、露出部にペンキ等の付着がなく、かつ余分な弛みがないこと。

?もやい綱は、端が自動離脱装置に固縛(標準積付の場合)されており、露出部にペンキ等の付着がなく、かつ余分な弛みがないこと。

?コンテナは、変形、破損等がなく、合わせ面が水平であり、索取出口のパッキンが嵌っていること。

?固縛ワイヤーには弛みがなく、かつコンテナが他のロープで縛られていないこと。

?自動離脱装置の浸水孔にはペンキ、ごみ等が塞っておらず、かつ架台に確実に固定されていること。

?投下又は自動浮揚の妨げとなるものが付近にないこと。

?寒冷時、架台の可動部、自動離脱装置等の氷結に注意すること。

 

 

 

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