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(2)我が国の統計データ

国内における船舶からの大気汚染物質の排出量を消費燃料の統計調査と排出係数から推定した報告がある。表2.1-3、2.1-4には、NOxおよびSOxの排出量の推定結果を示す。この表からも分るようにNOxでは全排出量の約25%前後、SOxでは18%程度が船舶からのものである。日本では船舶の寄与率が世界の平均値に比べて大きいのがわかる。

多くの船舶が集まるところ、つまり大きな港湾の周囲に於ける大気環境への船舶の寄与率についての調査も行われている。船舶は港に停泊中でも荷役作業、船内作業や冷暖房などのためにボイラーや発電機などを運転するので排気ガスを放出する。東京湾に停泊している船舶から排出されるNOx, SOxの量を消費燃料量から推定した結果を示したのが表2.1-5である。NOxの場合、例えば、東京湾では陸上での排出量の約10%強、横浜地区(横浜、川崎、横須賀)では約17%の量を排出しているという推定もある。以上述べたように大気環境に対して船舶が大きな負荷を与えていることが、各種の調査によりしだいに明らかになってきた。

 

 

 

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