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6.2 造船・舶用工業を取り巻く環境

本節では、我が国造船・舶用工業を取り巻く環境を整理する。

 

(1) 市場環境

新造船及び舶用機器市場は、海運市況に大きく左右され、需要の山谷が避けられない市場である。舶用機器は新造船以外にも既存船の更新需要が存在するが、その製品寿命の長さから新造船需要の影響が大きい。新造船市場の状況は船種により違ってくるが、タンカー市場は、西暦2000年前後のVLCC代替需要により好調に推移している。しかしながら、近年の旺盛な建造需要による需要の先喰いの懸念がある他、2000年以降再び需要が緩やかに低下するという予測がなされており、世界の造船供給能力の拡大と相まって、国際競争は激化すると思われる。バルクキャリアにおいては1994〜5年の市況高騰により発注された新造船が竣工されたばかりで大幅な供給過剰となっているが、現在は比較的堅調を保っている。

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(資料:造船統計要覧(1997)および海造審第13号(平成8年7月12日)より作成)

 

 

 

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