日本財団 図書館


13)装置価格:汎用品利用による低コスト化を目標とする

 

3. 自動溶接全体制御システムの基本仕様、設計

 

(1) 3次元曲がりブロック傾斜シーム 片面溶接ロボット

溶接部の状況は開先形状が一定で板厚により溶接基本条件が決まる。溶接基本条件より仮付位置と長さ、ギャップ、縦横傾斜角度が変数となり溶接最適条件が決定される。この変数は溶接開始とともに現物からリアルタイムに検出、計算、対応する方法が最も正確であるため、上位3次元設計情報と結合しない装置搭載単独システムとした。構成は曲がり外板の板厚入力による基本条件設定制御と仮付、ギャップ、傾斜角度の検出による溶接条件適応制御からなり以下に示す。

 

051-1.gif

 

(2) 3次元曲がりブロック傾斜隅肉溶接ロボット

アンケート回答から平行部の大組立工程には16台前後のロボットが吊り下げ配置され大規模な溶接システムとして稼働している。これらは部材が直交し溶接部が直線、平面であるため取り扱うデータも単純パターンで処理出来システム上の難易度は低い。

一方、曲がりブロックに於ては外板は曲面、部材は傾斜しているため、細部に渡る溶接トーチの移動と部材干渉が適用範囲を左右する根源となりデータ処理難易度は高い。よって上位3次元設計情報より溶接線条件を設定し、それに対する部材と溶接トーチの干渉回避を含んだ溶接ロボットのトーチ姿勢と溶接順序を決定し、設計上の溶接線に最適溶接条件を付加してロボットデーターを発生するシステムを必要とする。又、溶接ロボット側についても溶接中溶接部の状況が設計値よりずれている場合(ギャップ等)の溶接条件追従機能も必要である。これらのことを前提として、以下に示すシステム構成で自動溶接全体制御システムの構築を行う基本設計を行った。システムはCAD、CAM、ロボット群制御、マルチロボットから構成される。CADシステムに関しては各社ともCAMに接続されるシステムを保有しておりデータ出力の点では基本的に問題がないと考えられる。CAMシステムに関しては、ロボット自走式と点吊り式では規模が大きく異なるが両者とも新規開発を要する。ロボット群制御システムに於ける機能は、ブロック位置座標の検出とロボット・部材間、複数ロボット相互間の干渉回避が主となる。以下にシステム構成を示す。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION