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第2章 3次元曲がり部大組立に於ける現状精度と作業形態観測結果

 

3次元曲がりブロック大組立溶接の自動化開発にあたり、現場の状況を把握するためNKK津製作所の曲がりブロック製造現場を流れるブロックについて以下のように溶接部の精度、状況及び形態について観測を行った。

 

1. 調査対象曲がりブロック

 

曲がり度の平均的なものと最も大きいと思われるものの2種類について後部機関室船側外板構造より平均的ブロックのSL21Xと曲がり度大のSL21Yについて右舷、左舷合計4ブロックの組立聞姶〜溶接終了に至る作業を観測記録した。

 

2. 観測調査事項

 

曲がり外板の板継ぎ溶接及びロンジ・トランス配材取付け後の溶接作業に於ける下記の項目を調査・計測した。

(1) 曲がり度の大きいブロックの組立部詳細写真

(2) 溶接継ぎ手別溶接線長調査

(3) 溶接部の継ぎ手状況計測

(4) 工程別溶接作業時間の計測

 

3. 観測調査結果

 

(1) 組立部材別溶接線長調査

溶接装置開発の条件ともなるべき溶接部の構造が把握出来る様、SL21XとSL21Yブロックの現物写真を撮り、SL21Yについては開発の基準とするため継ぎ手の種類別に詳細を撮影した。結果、現物には図面に記載の無い部材、足場、治具等があり、装置設計の重要な資料となった。

(2) 溶接継ぎ手別溶接線長調査

SL21XとSL21Yブロックについて溶接継ぎ手別に部材数と溶接長を計測した結果

*平均ブロックと曲がり度大ブロックでは溶接長が約3倍ある。

*板継ぎ溶接長は全体の5%である。

*水平下向き隅肉溶接長は平均ブロックで全体の75%、曲がり度大のブロックで70%で大半をしめる。

*立向隅肉溶接長は平均ブロックで全体の15%、曲がり度大のブロックで21%である。

*補修溶接部は溶接長1m当り0.8〜1.0カ所発生している。

 

 

 

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