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3.4.3 養殖魚の採算性

養殖魚の生産コストに最も大きな位置を占めるのは、稚魚代と餌代であるが、薬品代や初期の設備償却等も重要なファクターである。また、日本の場合は、零細型の漁家経営が中心であるため生産量に占める人件費の比率も高い。

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経営状況は取り扱い魚種、地域、養殖方法や規模等により異なるが、圧倒的なシェアーを持つブリとハマチ養殖業は、昨今、未曾有の構造的な危機にさらされている。競合の激化と長期化する販売価格の低迷、回復の見込みの立たないマイワシの減少による餌料費の高騰、そして赤潮や疾病による成魚の歩留まり低下等々、悪い面だけを取り上げると枚挙にいとまがない。表は、九州地区の養殖業者の話をまとめ、コストを推定したものである。この中で最も変動が激しいのが歩留りで、これ如何でコストが大きく変わる。特にフグの場合は、2歳魚の歩留りが成否を決定するという。

 

 

 

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