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3.4.2 市場価格の動向

魚介類の価格は、魚種、産地、品質、形態、時期、流通そして需給のバランス等で大きく変動する。特に生鮮魚介類の場合は、鮮度と旬に影響されるし、また、平成8年度に大発生したO-157による食中毒の問題とかその年の景気動向等も、消費動向に微妙な影響を与え、価格変動となって現れる。下図は、農林水産省がまとめた6大都市の水産物卸売数量と価格の推移である。これだけを見ると価格は過去5年間さほど大きな変動をしていないように受けとめがちであるが、単品で見ていくと実際には大きな変動がある。魚価が上昇すると、サイズの一段階小さな安い物や、若干のグレード落ちの物へ需要が流れるという消費動向が必ず発生するため、全体ではさほど変化が無いように見えるのである。水産物の価格を見る場合、全体的に把握するだけでは片手落ちになるので、注意を要する。

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