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3.2.3 主要養殖魚の生産動向

 

ブリ(ハマチ) Seriola quinquerata Japanese amberjack

生産

回遊性浮魚であり、暖流魚であるブリの産卵場は、九州南西の男女群島付近、奄美群島から沖縄諸島海域の日本海法周辺が定説となっている。2〜3月頃産卵し、孵化した稚魚は、流れ藻に添いながら黒潮に乗り北上する。藻につく稚魚ということで、名前がモジャコと呼ばれる。モジャコは、4〜5月には九州から四国にかけて、5〜6月には近畿あるいは対馬近辺で、6〜7月には富山あるいは伊豆沖合で採捕される。ブリは出世魚として有名で、北上するにしたがい成長し、ツバス・イナダ・ハマチ等に名称を変え、夏期には北海道周辺にまで索餌回遊を行う。天然物は、2年後には4〜5kg、3年後には7〜8kgに成長する。

我が国で、ブリの養殖に最初に成功したのは、昭和2年香川県の安土池であるが、その後、養殖生産が急増し、日本の代表的な養殖魚として、毎年15万トン前後の生産量をあげている。

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養殖の現状

養殖法は小割網式が最もポピュラーで、養殖場の特性や養魚の状況に合わせて、8m四方から20m四方までのさまざまなサイズの金網あるいは漁網を、深さ10〜15mまで張り巡らせ、その中で飼育する。ハマチは運動量が多いため酸素消費量も多く、このため、生簀

 

 

 

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