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4.4.2

現状業務の整理と機能要件の抽出

設定された本開発研究完了時点での「あるべき運用」を目標にして、現状の艤装設計業務の実態を把握し整理しながら、機能要件を抽出した。

(1) 艤装品表現範囲

殻艤一体工程設計の前提としての艤装品表現範囲について、次の検討を行った。

なお、居住区の内装材(壁パネル、天井パネル、防熱材など)については、各造船所とも一括外注工事の傾向が強いため、工程設計の前提として表現しておく意義が薄くて他の艤装品より優先度が低いと考え、対象から除外した。

(a) 艤装設計全体業務フローの整理

艤装設計業務の全体像を整理する目的で、IDEF0を用いて業務フロー図を作成した。例を図4.4-5に示す。これによって、艤装設計の中でどういう艤装品が定義されているのかを概観することができる。

(b) 既存システムの整理

「艤装に関する属性データの調査」アンケートを実施した。これは、各社の既存システムにおける艤装品の表現範囲や属性を調査したものである。

このアンケートの目的は2つあり、一つは5.に述べる「既存システムとPMDBとのデータ交換」の検討材料とすることであり、他は、各社の既存システムを分析することによって、艤装品がどのように分類され表現されているのか、どのような属性情報を持っているのかを整理することである。

アンケートの集計結果を図4.4-6に示す。このアンケートの結果を分析して、次の成果を得た。

・既存システムで表現されている艤装分野では、各社の共通部分が多いことが確認された(例えば管装置)。その結果、各社の既存システムの共通情報として約20の艤装品種類と約800の属性項目を整理し抽出することができた

・一方、現状では他の艤装分野と統合されていない単独の仕組みで扱われている艤装品も存在し、「あらゆる艤装品を含んだ殻艤一体の工程設計」の実現という点で柔軟性に課題を抱えていることが確認された(例えば交通、通風、電気装置)

 

 

 

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