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4.2 アクチュエータシステムの有効性

4.2.1 CPP・特殊舵・バウスラスタの有効性

内航近代化実証船のアクチュエータは、CPP、特殊舵(フラップ舵)およびバウスラスタである。

(1) CPPの有効性

CPPの翼角を調整することによって前後進を連続的に制御することが可能となっている。港内でバースへのアプローチや前後位置を調整する段階では前進速力・後進速力の制御を頻繁に、かつ、正確に行う必要がある。このとき在来船(FPP)では、主機の正転・逆転ならびに各々の回転数を調整しなければならないが、内航近代化実証船(CPP)ではCPPの翼角調整で済むことになる。図4-2-1に着桟操船におけるCPPによる速力調整の一例を示す。

この例は港内で岸壁シフトをした状況である。時間7分から57分まで、主機回転数はほぼ250rpmで一定であるが、11分からのプロペラ翼角の示度に伴い船速が増加している。

また、25分からは翼角を落として船速を逓減している。さらに40分からは翼角を適宜後進・前進として船速を調整している様子がうかがえる。

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(2) 特殊舵(フラップ舵)の有効性

特殊舵は従来の舵に比べて舵面積が大きく、舵効きがよいと言える。

また、フラップ舵は大舵角をとった場合、前進方向の水流は若干は残るものの、プロペラ水流の大部分を正横方向に偏向することが可能であり、特に着離桟操船における船尾の制御に有効である。

 

 

 

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